第十〇話 蛇の影<後編>
私は
私が目覚めた後も父様はずっと
あの時、私は自分の命を人質にして、私自身の体に
その封印は私が死ぬとき、私の命を
私にできることは、ただ『死』を待つだけだった。
あの日の出来事をぼんやりと思い出していると、
父親の胸のあたりに引き寄せられて、その
「具合が悪そうだね。食欲はある?辛かったら今日は無理に食事を食べなくてもいいんだよ。」
「・・いいえ、こうされていると昴様の心臓の音が聞こえてきて何だか緊張が
「うん。そっか。」
昴様が
私は昴様の胸へ頬を寄せて見上げる。
「・・だから、お
「へ?」
昴様は私の顔をまじまじと
だけど、その顔は一瞬泣きそうな笑顔に変わる。
「そっかそっか。お腹が空くのは良いことだよ。食事の準備は整っているから久しぶりに一緒に食べようか。
そう言って私を力強く抱きかかえて立ち上がった。
「あの、昴様・・、もう大丈夫ですから、一人で歩けます。」
「えーダメダメ!さっきまであんなに辛そうな顔してた子が歩くなんて絶対にダメ!それに久しぶりなんだからもっと甘えてくれていいんだよ。」
昴様がふふと笑う。
「もう十分に甘やかされていますわ。」
私もふふと笑う。
「本当?俺は全然足りないんだけどなぁ。そうだ、今日の夜は一緒に寝ようね。桜ちゃんと一緒の
「一緒の
私は抱き上げられた体を安定させようと、昴様の首へ腕をまわす。
昴様は
「ふふ。俺にとって桜ちゃんは、いつまでも可愛い桜ちゃんだよ!」
そう言って昴様が私の
私たちは久しぶりに親子でゆったりとした時間を過ごした。
「桜ちゃん、これも好きでしょう?はい、どうぞ!」
隣に座った昴様が私の
「まったくもう・・、これでは昴様の分がなくなってしまいますよ。同じものが私の御膳にもありますから、昴様がお召しになってください。娘を甘やかすのもほどほどにしてくださいね。」
「いーの、いーの。良い子はたくさん食べないといけないよ。それに俺は桜ちゃんをもっと甘やかしたい。あ!これも好きだったよね!」
昴様がお構いなしに私の好物を分け与えようとするので苦笑した。
「もう、言っても聞かないんだから・・。それではお返しにこれをどうぞ。」
私は昴様の御膳に黒豆の小皿をのせる。
「あ!ダメだよ!黒豆は俺の好物だけど、これじゃあ桜ちゃんの食べる分がなくなっちゃうでしょ?」
「ふふ、昴様だって自分の召し上がる分がなくなっているでしょう?」
「ん?そーだけど・・。」
私がおかしくて笑い出すと昴様も笑い出した。
「じゃあ、半分にしようか。それなら丸く収まるでしょ?」
「ふふ、それでは黒豆も半分ほど差し上げますね。」
私たちは笑い合う。
食事が終わると昴様は私の手を何度も握り、
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