第4話 読書中
【藤代くん視点】
僕は教室でラノベを読んでいた。
「藤代君ってそう言う可愛い子が好きなの?」
可愛い子?
あぁ、表紙のことか。
「……うん」
「ポニーテールが好きなの?」
「……うん」
今読んでいる表紙のヒロインの髪型がポニーテールなんだ。
だから、そんなことを聞いて来たのだろう。
「ショートヘアとポニーテールどっちが好きなのよ」
「……へ?」
「そのままの意味よ! 答えなさい」
「……ポニーテールかな」
まさか白井さん自分の髪型をポニーテールにするつもりなのか?
次の日。
「ど、どう? 似合ってる?」
やっぱりー!
でも、可愛い……。
けど、個人的には前の方が好きなんだよな……。
「似合ってるけど、僕は前の髪型の方が好きだな」
「う、うるさい! 別にあんたのためにしてるわけじゃないんだからね」
それは、まぁ、分かってますけど。
そのまた次の日。
白井さんの髪型が前に戻った。
「……あれ? 今日はポニーテールじゃないの?」
「……うるさい!」
【白井さん視点】
藤代くんが読書してる!
ん? 何あの表紙?
まさか……いやらしい本!?
べ、別に驚く事でもないわ!
藤代くんだって思春期の男の子。そりゃあ可愛い女の子に興味を持つのは当然の事だわ!
「藤代君ってそう言う可愛い子が好きなの?」
そう言えば藤代くんの女性のタイプって何なんだろう。
「……うん」
「ポニーテールが好きなの?」
「……うん」
まさかのポニーテール好き!
た、確かに可愛いよね、ポニーテール!
でも私はショートヘア……。
ここは勇気を出して聞いてみるしかないわ!
「ショートヘアとポニーテールどっちが好きなのよ」
「……へ?」
「そのままの意味よ! 答えなさい」
「……ポニーテールかな」
そうなのか……。
やっぱりポニーテールなのか。
いや、待てよ? 私がポニーテールにすれば藤代くんは私の事を好きになる!
ふふーん。待っててね、藤代くん!
私、可愛くなって見せるから!
次の日。
「ど、どう? 似合ってる?」
どうよ! これで私に惚れたでしょ?
さぁ、来て! 好きと言う一言を待ってるの!
「似合ってるけど、僕は前の髪型の方が好きだな」
えっ、えー!! 私はポニーテールよりもショートヘアの方が似合うって事!?
藤代くん、今好きって言った!? 言ったよね!(髪型がです)
「う、うるさい! 別にあんたのためにしてるわけじゃないんだからね」
もー、何で私は素直に喜べないのー!
本当はすごく嬉しいのにー!
今好きって言われたからもしかして彼女候補かも!?
明日から髪型は戻そう。
そのまた次の日。
白井さんの髪型が前に戻った。
「……あれ? 今日はポニーテールじゃないの?」
「……うるさい!」
好きって言ったのは藤代くんなんだからね!(だから髪型がです)
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