あなた / 24時間

なぜだろう

あたなの中にある痛みごと 抱きしめたいと思った

心の一番奥 固く閉ざしたドア

あなたの手で開いてくれるまで ずっと待てると思ってしまった

例えそれが死ぬまで時間を要しても

「うん、いいよ」と即答できる


抱きしめられる事より 抱きしめたいと思うだなんて

守ってあげたいと思うなんて

そんな気持ちになるのは 最初で最後だと思う


けれど

この恋はきっと叶わない

大人になってからの恋は 大抵が形になんてならない

そして

この気持ちを伝えた後が怖いから 自分に自信が無いから

ただの仲良しでいいと 自分を教え諭す

安定の臆病者 そんな自分に呆れている


もう実際に会う事なんて きっとない

外見も何もかも あなたの好みなんかでもない

言い聞かせても 感情が勝手に溢れ出る


あなたを思い出すと 胸が締め付けられる

ありきたりな言葉 それしか吐き出せない

傍にいる時分を思い浮かべ 勝手に切なくなってしまう


話をしている それだけで

こんなに心が穏やかになれるだなんて

そんな人 もう出会えない


馬鹿だと思うけれど あなた以外はどうでもいい

あなたじゃないなら 私はずっと一人でいい

勝手に暴走している自分を 何とか押し隠す

その術しか知らない


もしあなたが 私を好きだと言ってくれたら。

ないないないない

繰り返し 繰り返し

そうやって一日の何割か 時間が使われているのです


あなた/24時間 一体どのくらい?

くだらない事を考えながら 今日も一日が過ぎてゆく

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