「ありのまま」という我が儘
みなさんは「ありのまま」という言葉にどういった印象を抱きますか?
私が思うありのままとは、今ある自分をそのまま肯定することであり、またそれを受け入れてもらうことでしょうか。しかし、
ありのままという言葉で自分を肯定するばかりで、何ら変わらない人間というのはいかがなものかと常日頃から思っているからです。まぁ、これは他人に向けたような形の自己否定に過ぎません。要は今のままでいいと思うな、と言い聞かせているのです。
さて、今回はそんな「ありのまま」という言葉の由来について調べてみて感じたことをまとめてみたいと思います。果たして何かしらこじつけることができるのか。それはその時に任せます。
ありのまま:実際にあったとおり、事実のまま、ありてい
う~む。意味だけではあまりにそのまま過ぎて何とも言えませんね。
では、漢字に変換して見てみましょう。
「ありの儘」
おや?この儘という字はどこかで見ましたね。そうです、タイトルにもある我が儘と同じ漢字ですね。思わぬところにつながりが見つかりました。では、その漢字の由来を見てみます。
「儘」という漢字は「ことごとく」という漢字ににんべんがくっついた形になります。にんべんが付く前の漢字の由来は筆から水が滴る形で、深い器を洗浄するために棒で水をかき混ぜる様子を示しているようです。
つまり、一定の形を維持するのではなく変化する様子を意味していると考えられます。筆に吸収された水が重力に従って皿へ落ちるように、棒でかき回されて水流が生まれるように。
その由来を人に当てはめてみるとどうでしょうか。
果たして「ありのまま」とは今の自分で居続けることなのでしょうか。
私はそれだけではないと感じます。
人は常に変化する可能性を持っています。1年や2年では実感することは少ないかもしれませんが、では5年、10年で考えてみるのはどうでしょう?
10歳の子どもが、5年で半分大人に近づき、更に5年で成人として社会に旅立ちます。どうでしょう、その間にあなたの考え方、価値観、好き嫌いは変化しているはずです。そして、新たな経験を通してこれまでは毛嫌いしていたものが、今では手放せないなんてことになっているかもしれません。
かく言う私もここ2、3年で脂っこいものを好んで食べなくなりましたし、やはり変化はあるものです。(まだ私若いはずなんですがね)
これだけ変化するというのに、今現在の自分自身を特別視して「これがありのままの自分」と言い張るのはまたおかしいと感じます。
きっといづれは価値観の変化した違った自分のことをこれが自分とするのでしょう。それでは、これまでの自分とはいったい何だったのか、ということになります。
「ありのまま」というのは変化することを前提としたあり方を表す言葉です。
これが自分のあり方だと思い込んで、自身に変化の機会を与えないことは決して「ありのまま」とは言えないでしょう。そうして変化を拒むことこそ本当の「わがまま」なのかもしれませんね。
今回のお話は以上です。
ちょっとだけ説教臭くなりましたが、あくまで私は変われと強制するつもりはありません。自分の中にも変化する可能性があることを信じていて欲しいと思っております。
それではこれにて。お疲れ様でした
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