軽くSS集
Side 谷村 亮太郎
どうも谷村 亮太郎だよ。
このお話は2020年の11月頭ぐらい、作者が調子崩している時に書かれたものだよ。
まあ人生長いしこういう時もあるよね。
本当はこのまま大阪日本橋のとあるメイド喫茶の話をやるつもりだったらしいけど――それじゃ長々と語るのもアレなんで本編をどうぞ。
【その1:小河原 智也】
Side 小河原 智也
時間軸:サカキ高校での騒動から少し時間が経過した後の物語。
あの二人。
藤崎君、谷村君で自分の学園生活はガラリと変わった。
クラスも最近二人のことが話題だ。
谷村君はよく目立っていた方だが最近は藤崎君も目立っている。
他のクラスメイトもよく話題にしていた。
特に体育の授業の時なんかは運動部顔負けの活躍をしていてよく運動部からスカウトをされる光景を目にする。
谷村君はともかく、藤崎君も断っていた。
それはそうと今回の一連の事件――サカキ高校の連中が学校に来た時、そしてサカキ高校が実質崩壊した事件は二人が解決したのではと言う意見はよく聞く。
もちろん証拠はない。
だが二人がやったと言われると何故だか信じてしまうのだ。
谷村君はともかく藤崎君もつい先日までは普通の生徒だったのに今では谷村君とよく連んでとても頼りになる存在になっていて――正直自分でも考えが纏まらないが自分が知らない間にとんでもない事が起きたのだろう。
それこそなろう系と呼ばれる小説の主人公みたいな――
そもそも梶原含む不良達と追いかけっこした時なんかがそうだ。
よくよく考えてみれば普通の人間は汗をかかずに呼吸を乱さず学園中追いかけっこなんか出来るだろうか?
しかも谷村君は歌いながらで、藤崎君は僕を抱えながらだ。
特に藤崎君は異常だ。
人間の体重を50キロ以上と仮定して藤崎君は僕を抱えながら歌いながら走っている谷村君と一緒に並走し、梶原たちの全力疾走を楽々突き放していた。
この時点で既にオリンピック選手になれる片鱗が見える。
明らかに普通の人間ができることではない。
先日のサカキ高校校の連中の襲撃は藤崎君は相手の一撃を受けてピンピンとしていた。
その後は不良達が持ち込んだガスが暴発して不良達が救急車に運ばれていったがよく考えてみれば不自然だ。
あの二人がやったのだろうか?
サカキ高校の件もタイミング的にご都合主義すぎる。
証拠は無いがあの後、二人で片付けたと言われれば自然な流れになる。
もう裏の裏までこれでもかと暴露されていて、裏では何人も死んでいるレベルの大惨事になっているようだ。
その事件の先日には麻薬の取引現場が何者かに潰されていたりしていて、完璧すぎる手際からこの二つの事件に関連性があるのではないかと疑う人間もいるが証拠はないのだ。
だから世間では特殊部隊説が濃厚だが僕の周りで限って言えばあの二人が何らかの形で関わっているか、直接手を下したと思う。
だけどそれを大声で問い正したり、それを悪く思うつもりもない。
だからこう言うんだ。
ありがとうって――
【その2:奥村 幸子先生】
Side 奥村 幸子先生
時間軸:サカキ高校の騒動が終わって少しの事件が経過したあと。
一時期学校は大変だった。
自分のクラスの子と学園の不良だけでなく、警察までもを巻き込んだマラソン大会。
サカキ高校が襲ってきたこと。
さらにはそのサカキ高校の内部事情がこれでもかと暴露されたこととか――
その一連の騒動にはあの二人が関わっている。
藤崎 シノブ 君と谷村 亮太郎 君だ。
最初の事件と二つ目の事件はともかくサカキ高校の内部事情暴露の件は流石にないだろう。
谷村君はどこか大人びたところがあったけどそれ以外は普通の高校生だ。
藤崎君に至っては本当に普通の高校生なのだ。
平日の悪名高い不良高校に堂々と潜入して5体満足どころか傷一つなく抜け出すことなんて出来るのだろうか?
特殊部隊説の方がまだ信じられる。
だけど最初の事件――追いかけっこの時の二人の身体能力やその後の体育の授業の様子を見る限りではまるで以前とは別人のように運動神経がよくなっている様子が見受けられるそうだ。
以前までそんな事はなかったのに――まるで突然そうなったかのようである。
体付きもアスリート体系になっているそうだし。
そんなことってありえるのだろうか?
☆
また事件が起きてしまった。
私が被害者で加害者は学園内の同じ教師。
年配の教師でいらゆるセクハラ教師と言う奴であまりよい噂を聞かない。
そして最近私を狙っている。
学園主任などに相談してもまともに取り合ってくれない。
本当にどうすればいいのやら――
しかもそのセクハラの現場――人気のない教室で藤崎君や谷村君に見られてしまったのが運の尽きだった。
二人には恐怖や悔しさを押し殺しながら「これは私達の問題だから?」、「何も心配しなくてもいいわよ?」、「間違ってもSNSとかで拡散したりしたらダメよ?」と余裕ぶって念押ししたが――
したのだが――
一日も経たないウチにそのセクハラ教師は警察に逮捕されて現在保護者説明会の準備の真っ最中だった。
もう二度と教壇には立てないぐらいの罪状が世間に暴露されてしまっているのだ。
具体的には他の学校の女性徒と援助交際や数々のセクハラ被害などの罪状の数々が"何者か"に告発されたのだ。
タイミングからしてあの二人の仕業だと私は思ってる。私が言うのも何だが女の勘と言う奴である。
あの二人は隠す気あるのだろうか?
証拠がなければ疑われないとでも思ってるのだろうか?
でも恩を仇で返すような真似は教師以前に人として終わっているのであえて言いふらす真似はしない・・・・・・それでも気になって鎌を掛けてみたビンゴだった。
藤崎君は嘘がヘタだ。
一方で谷村君は嘘が上手すぎる。
私は溜息をついて「まあいいわ、これは独り言だけど――ありがとうと。あんまりこう言う危険な真似はしちゃダメよ」と言っておいた。
何故だかとても照れくさくなってドキドキしたのは許してほしい。
☆
Side 藤崎 シノブ
「もうシノブ君はもうちょっとポーカーフェイスとかそう言う練習をしておいた方がいいね」
「ごめんなさい・・・・・・」
一仕事終えて、先生に呼び出し食らって、物の見事に鎌掛けに引っかかってしまって谷村さん行きつけの大阪日本橋の雑居ビルにあるメイド喫茶店「ストレンジ」のカウンター席で軽く説教を受けた。
今の自分達からすればその気になれば県を通り越しての移動すらコンビニに行く感覚だ。
電車で移動する距離の大阪日本橋など簡単にいける。
そこで仕事終わりの一杯と反省会を兼ねてこうしてストレンジにいたのだ。
ツッコミどころが多い状況ではあるが谷村さんの言葉が心に刺さってそんな気分ではない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます