第2章 ナイト・オブ・セブン

――5年後――

「レオーーーン、入るわよーーー」

声と同時に扉が開く。すると

「もーーーう、まったく」

呆れ返った表情で聞き慣れた声の女が俺を見ている

「あぁ~~ジュリアか、どうした急に?抱かれにでも来たか?」

冗談交じりにそう言いった。

そしてベッドで横になっている俺を見て呆れ返った表情のまま

「冗談は顔だけにしなさいよ、ていうかまた違う女?まったく猿ね」

俺と横にいる女を見て言った。

「うるせぇ~ヴァージン、欲望に忠実で何が悪い?」

とからかうようにジュリアに言うとジュリアは恥ずかしいのか怒ったのか赤面しながら

「この年でヴァージンなんて普通よ!まったく!貞操観念の低いクズ!」

とちょっと声を荒らげながら言った。そして、

「それよりも久々の仕事よ早く支度して」

ああ、分かってる、こいつが来る時は大抵そうだ。『仕事』つまり『悪魔』が来たとき。

「分かった、すぐに片付けに行く」

ジュリアは淡々と要件だけ言って去って行く。

これがレオンの5年間の『役割』であり『仕事』になっている。

横にいる女が着替えながら話してくる。

「それじゃ~、レオン君お仕事みたいだからここら辺でおいたまするね~、またいつでも遊ぼうね~それじゃあね」

そして、着替え終わった女は部屋からゆっくりと出て行った。

レオンは服を着替え、簡素な剣だけを持って、『仕事』に向かう。これが彼に課せられた義務であり、『力を持つ物』の特権である。

そして、レオンは5年間で身につけた勘とその間に鍛え上げた『力』を頼りにすぐさま悪魔のいる場所へたどり着いた。

着くなりレオンは呟く。

「ざっと150ってところか、今までで一番多いな、それに中級悪魔が20体前後、上級悪魔が1体、その他は下級悪魔。本気で潰しにかかって来たってことか」

レオンは観察を終えると自ら、敵の前に姿を現した。そして

「おいおい、1年近く出てこねぇと思ったらこんな大軍勢引き連れてきてどうした?」

と敵将の上級悪魔に尋ねる。すると、上級悪魔が言った。

「素直に出てくるなんて勇気だけはあるな」

そしてレオンも

「どうせバレてたんだろ、なら隠れてもしょーがねえじゃねーか」

 と笑いながら答える。

そして敵将が自信過剰に笑いながら言う

「俺の名はイフリートだ、殺す前に教えといてやるよ、まぁ簡単に死ねると思わない方が良いけどな。これまでに殺られた仲間の分までたっぷり痛ぶってやんよ。俺様に『早く殺してくれと』懇願するくらいにな、ハッハッハ!」

と敵将が長台詞を吐いてる間にレオンは150体の下級悪魔を瞬殺した。そして、

「で、なんだっけフリーター君?『早く殺してくれ』と懇願されるんだろ?早くしろよ」

怒り狂った表情でイフリートは叫んだ、

「俺様の名はイフリート様だーーーーーーー」

そして冷静になったのか、淡々と

「よくもまぁ、一瞬で俺の部下達をころしてくれたなぁー、さっすが能力者(エネミスト)。どんな能力(エネミー)か気になるねー。」

それを聞き終わるとレオンはイフリートの背後に回り、

「遺言はそれだけか?」

と尋ねる。

イフリートは自信の能力(デモンス)で全身を炎で覆い隠しとっさに回避し、考えた。                          

なんだ、奴のエネミーは?一瞬で部下を皆殺しにして俺の背後に回り込む?空間操作?部下を一瞬でぶっ殺したのは空間切断か?だが待て、俺の背後に回り込むっつても俺様が空間転移で気づかないはずがない?それとも俺様が気づかないほどの空間能力者?もしくはあの御方の・・・・・

と、一瞬の思考のうちに視界が逆さまになる。そして言った。

「なん・・・・・だ・・・と?」

一瞬のうちにイフリートの頭と胴体が切り離された。そしてレオンが

「エネミーの考察は終わったか?」

そのまま灰になるイフリートを見ながら言った。








『仕事』を終え、村に帰るとちょっとした騒ぎが起きていた。

その辺の子供に尋ねる

「おいガキ、この騒ぎは何だ?」

すると子供が答えた

「あ、レオンおにぃちゃん!なんかめっっちゃ綺麗なカッコの女の人二人と男の人二人が来ててね、ヴァーミリオン王国の何たらって言ってた!」

それを聞いて察したのかレオンがそそくさとその場を後にしようとすると、ジュリアが遠くから話しかけてきた

「レオーーーーン!!、こちらの方々がお話があるそうよーーーーー!」

そしてレオンは

「くっそあのクソヴァージン!気づかれちまったじゃねぇか!、早く逃げねえと。」

と言いながら走って逃げ始めた、しかし

「なんっだこれ?鎖?」

レオンの手足には鎖が巻き付けられて身動きがとれない状態にされていた。しかも、

「エネミーが使えねぇ・・・そういうことか」

とレオンが言う、すると純白の鎧を着た美女で巨乳でスタイル抜群の女が近寄って来て言った

「やっと見つけたぞ9人目」

と言った。

レオンも察しはついていた、5年前謎の光が現れてから世界の秩序は大きく変わった。その中でもナイト・オブ・セブンと呼ばれる七人の能力者(エネミスト)によって、ここ2年近くで多くの悪魔達が討伐されている。そしてヴァーミリオン皇国とは現在世界で唯一の国家、悪魔の襲撃にも『神器(しんき)』と呼ばれる特殊な武器で進行を妨げ続けたと言われている。

とすると大方検討は付く、徴兵だ。

しかしレオンは

「どうしたんですか素敵なお嬢さん?デートのお誘いにしてはずいぶんと荒々しいですね、とにかくこの鎖をどうにかしていただけませんか?」

としらを切った、しかしその女は

「駄目だ、お前の能力(エネミー)はおおよそ見当が付いている、おそらく空間を操るエネミー、ならばここで逃げられては困る、だから鎖は解かん」

そして

「名乗るのが遅れたな、私はヴァーミリオン王国第一皇女、エイラ・ル・クルスシス・ヴァーミリオンだ」

と名乗った。そして続けて、

「お前の噂は二年ほど前から耳には入っていたが、国のごたごたや悪魔達の討伐で真偽を確かめるのに時間がかかってしまった、お前に宿った『天使様』の名前は何という?」

しかしレオンはあくまでもしらを切り通す。

「エネミー?天使様?何ですか?僕はただの村の用心棒ですよ」

すると、エイラは

「先程の戦いは見させて貰った、しらを切るにも無理がある、さあ早く私の質問に答えろ」

レオンは諦めた、この鎖でエイラのエネミーによりレオンは能力を封じられている状態、そして自分もエネミストとバレている。しかし『天使様』と言うのには全く心当たりがない。だから素直に答えた。

「あ~はいはい分かりましたよ、俺もエネミスト、能力も大方合ってる、だがお前の言う『天使様』については全く分からん」

すると皇女様の護衛であろう若い男が

「第一皇女様に『お前』は失礼だろ!これだから辺境の田舎者は!」

と言い放つが、エイラは

「私をどう呼ぼうが関係ない、それにお前こそ『辺境の田舎者』は無礼であろう?」

というと護衛であろう男は

「失礼しました、皇女殿下」

と言い、レオンを睨み付けた。

そしてエイラが話を戻す、

「『天使様』を知らない?そんな訳あるか!『天使様』はいつでも私たちと対話してくださりエネミストのことやエネミーの使い方を教えてくださる!それを知らないわけがないだろう!『天使様』の声を聞かなければエネミーの使い方はどうやって習得したのだ?」

するとレオンは意味不明な話を聞かされてポカンとしながら最後の問いに

「実践」

と答えた。これに嘘はない、レオンはこの五年間ひたすら悪魔達を殺し続け能力を習得したのだ。

驚いたのか、呆れているのか、困っているのか、なんともいえない表情でエイラがこちらを見る。

そしてレオンもエイラに問う

「なぁ~?その『天使様』とはどうやって話すんだ?」

エイラはもうどうどうでも良いような感じで

「私はいつも『天使様』の名を呼び対話しているが、お前は名前すら知らぬのだろう?だったら『天使様~お答えください』とでも頼んでみたらどうだ?」

と冗談なのか本気なのかよく分からないトーンで話した。

そしてレオンは

「天使様~お答えください」

と、大声で叫んだ。

するとエイラが焦ったのか

「おい!本気にしたのか?本当に馬鹿なのか・・・・・と言うかその鎖に縛られていては・・・」

エイラが何かを言いかけたその時、レオンの背後に純白の十二枚の翼を持つ『天使様』が現れた。そして『天使様』が

「やっと我を呼んだか人間、少々退屈であったぞ、謝罪せよ」

上から目線でその天使が言った。

呆気にとられていたレオンだったが、すぐさま冷静をを取り戻し、『天使様』に尋ねる

「おい天使様、なんで今まで出てこなかったんだ?退屈だったんだってなら自分から出てこいよ」

しかし、『天使様』は傲慢な態度で

「何で我が自ら人間の前などに姿を現さなくてはならない?我は最も神に近い存在、熾(セラ)天使(フィム)が一人『ルシフェル』であるぞ、それに我が出てこなくとも力の使い方は自身で使いこなせるようになったであろう?」

と言った。続けて『ルシフェル』が言う。

「ほかの者三人もすぐさま集めよ、『ガブリエル』」

とエイラに向けて発した。

すると、エイラは他の三人を招集した。

「熾(セラ)天使(フィム)様、他三人を連れて参りました」

とエイラが言うと、一人づつ挨拶を始める。

一人目は誰にでも金髪のさらさらした髪をした、目鼻立ちの整ったいかにもイケメンという感じの純白の鎧を着た青少年。

「お初にお目にかかります、私の名はエレイン・ル・クルスシス・ヴァーミリオンと申します」

そして2人目は金髪のロングヘアーで可愛いという言葉がこれほどまでに似合う女性はいないだろうというほどの美貌でスタイルも良いが胸はそこまでない、おしとやかさが滲み出ている祭服を着た女性。

「お初にお目にかかります、私(わたくし)の名はシルフィー・ル・クルスシス・ヴァーミリオンと申します」


三人目は腕や体、顔などあらゆるところに傷がある筋肉質の中年ぐらいの男。

「お初にお目にかかります、私は名はバルバロットと申します」

レオンは感じ取っていた、この男、バルバロットだけは潜ってきた修羅場の数が違う。

恐らくこの男がナイト・オブ・セブンの最高責任者だと。

そしてルシフェルが言う。

「智(ケル)天使(ビム)にラファエルに力(ヴァー)天使(チュース)か、姿を見せよ」

すると、3人の背後から3体の天使が現れた。そして3人揃って発した

「お久しぶりでございます熾(セラ)天使(フィム)様、大変長らくお待たせしました」

するとルシフェルが

「前置きは良い、今の状況を簡潔に述べよ」

と命令口調で発する。

そして智(ケル)天使(ビム)が

「現在13体いる魔将軍のうち3体を討伐、魔王は現在も健在でございます」

と答えた。

それを聞くとルシフェルが不敵な笑みを浮かべて言った

「へぇ~5年間で13体のうち3体、単純計算すると全員討伐するのに16年くらい?そこに魔王を含めると20年近くか~~・・・・・・遅いね?君たち一体何してたの?」

場が一気凍り付いた。3体の天使は弁明する権利もないのか黙ったままである。

数十秒の静寂が流れた後、ルシフェルは言った。

「まぁ~、5年間サボってた奴が何言ってんだって話だよね~、よし決めた此奴(レオン)を連れて、ここにいるメンバーでここから一番近い魔将軍倒しに行こっか!名案!名案!」

すると智(ケル)天使(ビム)が焦った口調で言った

「お待ちください熾(セラ)天使(フィム)様!今この近くにいる魔将軍は序列7位のベリアル!ここにいる者だけでなくしっかりと全員を集めて挑むべきでは?それにその少年神器も聖霊器(せいれいき)持ち合わせていないですし・・・・」

するとルシフェルがまた不敵な笑みを浮かべながら言う

「へぇ~智(ケル)天使(ビム)が我に意見できるんだ~?天使の階級制度は5年で変わったのかな?」

そしてまた数十秒の静寂が訪れる・・・・・・そしてルシフェルが言った

「良し、反対意見ナ~~~~シ、それじゃあレッツラゴーーーー」

そう言い残しルシフェルは消えていった。

他の三天使も何か言いたげながらも消えていった。

そして困った顔をしたエイラが

「と言うわけだ、まさかお前に熾(セラ)天使(フィム)様が宿っていたとは・・・・・・ともかく熾(セラ)天使(フィム)様の命令は絶対だ、お前にも来て貰うぞ」

と言ったが、レオンは反発した

「俺がいなきゃこの村どうすんだよ?悪魔が来たら皆殺しだぜ?それとも王族にとっちゃこんな辺境の小さな村どうなったっていいってのか?」

この言葉に嘘はない、実際レオンがいなければこの村は悪魔の襲撃にあっった場合、この村は間違いなく全滅する。そしてエイラが言った

「確かに我がヴァーミリオン王国にとってこのような辺境の小さな村がいくつ潰れようと全く問題がない」

レオンは一気に怒り、鎖を引き千切ろうとした瞬間、エイラは続けて話した

「しかし、私個人の正義がそれを許さない!安心しろこの村には護衛として連れてきた神器使い4人を置いていく、どいつも手練れ揃いだ、上級悪魔クラスであれば20体は討伐できる、だからお前は私たちと来い!」

レオンは『これも運命か』と思いながら、返事をした

 「わぁ~~たよ、オーケーだ」

エイラはその答えに満足したのか初めて笑みを浮かべながら鎖を解き、レオンに尋ねる

「そういえばまだ名前を聞いてなかったな、名前は何だ?」

レオンは素直に答えた。

「レオンだよ、平民だから姓はない」

するとエイラも

「こちらも自己紹介するのがまだだったな、私の名は」

と言いかけたときにレオンが

「あぁ~良い、良い、さっきのやりとりで全員聞いた」

と答えた。そして続けざまに

「えーとお前が巨乳SM嬢で、もう一人の女が貧乳、そこの金髪君がキザ男くん、でっそこのおっさんはおっさん」

と冗談半分、嫌み半分で言った。

すると、エレインが怒りながら

「教育がなっていないようだな『平民』、礼節という物から教えてやろうか?」

と言い、シルフィーは

「ひ、ひんにゅう~~」

小声で落ち込みながら言っている。

そして、エイラが鎖をまた使おうとした瞬間、バルバロットが大声で笑った。

「はーーーーーーおもしれえなお前!エレイン皇子、俺も『平民』なんだが再教育受けねえと駄目か?」

とエレインに問う。するとエレインは

「いいえ閣下、失言でした、どうかお許しくださいませ、そこのレオンという輩があまりに非礼な物でつい怒ってしまいました」

と謝罪した。するとバルバロットも気にしない様子で

「いいの~いいの~、人間生きてりゃ失敗や失言くらい誰にでもある、それよりお前レオンって言ったか!気に入ったぞ、俺は面白い奴は大好きだ!」

とその場が収まった・・・・・・・かに見えたが、次の瞬間バルバロットはレオンの頭をわしづかみにして冷淡に言った、

「だがジョークと無礼は別物だ、良く覚えておけクソガキ」

そして、大声で言い放つ

「それに俺はまだギリギリ20代だぁぁぁぁぁ、おっさんじゃねぇぇーーー」

そしてレオンの脳天を地面に力一杯叩きつけた。レオンは意識が飛ぶ狭間に「この人だけは怒らせんとこう」と思いながら気絶した。




目が覚めるとレオンは自室のベッドで横になっていた。そして自分がどういう状態になっているかを考えた。

俺は今、ヴァーミリオンの兵として、13体?いる魔将軍?今は10体か・・・の序列7位の魔将軍と戦いに行かなくてはならない状況って・・・・・・めちゃくちゃめんどい。というか・・・・・・・・

「もしも~~し、おっひめさま~~~、そろそろ起きたらどうですか~~~~」

横でなぜか寝ているシルフィーを起こす。

「う~~~~~~ん、レイチェル~~~まだ眠いよぅ~~、・・・・・・・おわわわわわわわわ、わたくし寝てしまいましたの、失礼しましたーーー」

シルフィーは「わたくしったら殿方の横で寝てしまうとはなんたる失態!!お嫁に行けないわーーー」と心の中で思いながら、赤面していた。

するとレオンが

「何で第二皇女様が俺の家にいるんだ?」

と尋ねると、赤面しているシルフィーは平静を装いながら話し始めた。

「今日の件でお話がありまして、お邪魔させていただいておりましたの、『ベリアル』討伐は二日後に行われることになりました、そこで情報共有をしたいと思いまして」

レオンはなんとなく察しが付いていた、情報共有ではなく俺のエネミーについて聞きたいのだと、なのでとりあえずこちらが知らないことを聞いておこうと思い尋ねた

「じゃあ俺から聞いても良いか?」

その問いにシルフィーも頷いた

「まず、神器と聖霊器とはなんだ?」

その問いにシルフィーは

「神器とは我がヴァーミリオン皇国に伝わる神々が作り出したと言われる、悪魔に唯一対抗できる武器のことで『適正者』もしくは『エネミスト』にしか扱うことができず、使用できる方は限られています。また、現存する『神器』は現在139器で残っている物が32器、それぞれランクがあり、S級からC級までの4種類と言うところです、さらに『神器』にはそれぞれのランクや形状に応じた特殊な能力が備わっていますが、それは使用してみて初めて分かります、『神器』についてはこれくらいですかね、何か『神器』についての質問はありますか」

レオンは『神器』全ての疑問が解決し、首を横に振った。

「では続いて聖霊器についてですが、これもヴァーミリオン皇国に伝わる神々が作り出したと言われる防御服のような物です、自身や他人の『エネミー』や、『神器』に対する攻撃に対して防御してくれますし、中級悪魔程度の攻撃ならば無力化できます、これはしかし『神器』とは関係なく、誰でも着用が可能で形状によっての能力の変化もありませんが、基本的に『エネミスト』か、その他の『神器使い』が着用しなくては意味がありません、聖霊器について何か質問はありますか?」

レオンは尋ねた

「『エネミスト』か『神器使い』でないと意味がないと言ったがそれは効果が発動しないってことか?」

シルフィーは「そういうことです」と言いながら頷いた。

続けてレオンが尋ねた

「次の質問良いか?」

するとシルフィーは

「どうぞ~、何でも知りうる限りのことは話しますよ~」

と陽気に言ってきたので続けて質問を繰り返す。

「悪魔の階級について」「悪魔の能力について」「魔将軍について」「ベリアルについて」「ナイト・オブ・セブンについて」「天使について」を尋ねた。

そしてシルフィーは

「悪魔の階級は下から下級・中級・上級ありますがそれはご存じであると思います、その上に魔将軍、魔王がいるという構図になります、そして噂程度ですが魔王直属の7魔神が存在していると言われておりますが、現在確認はされていません。悪魔の能力についてはエネミーと同様のような能力を使用しそれを『デモンス』と呼びます。これは中級クラスは少ししか扱えず、上級クラスもそこまで上位の『デモンス』を扱うことはできません、現在魔将軍クラスの『デモンス』は不明、戦ってみて初めて分かります。魔将軍についてですが、序列があるのは先程の天使様の会話でなんとなく理解されたでしょう、魔将軍は基本的に対等な関係ですが能力の強さごとに序列があります。しかし基本魔将軍クラスは対等でその他の上級から下の悪魔の統括などをしております。ベリアルについてはここから三十キロメートルほど離れた城に住んでおり能力は不明です。ナイト・オブ・セブンについてですが天子様がエネミーを授けてくださった際に結成された魔王討伐特殊部隊の7人のことで、あなたで9人目です。最後に天使様についてですがそれはご自身の『熾(セラ)天使(フィム)様』にお聞きください」

とシルフィーは話を終えた

そしてレオンが

「ちょっと待ておれが9人目だって?8人目はどうしてんだよ?」

と最後の疑問を尋ねる。

するとシルフィーは笑みを浮かべながら

「そうそう8人目のベルティーちゃん!!ちっちゃくてとっても可愛いの~!でもなかなか交渉に応じてくれずに能力も『空間転移』だからお姉様が鎖で逃げられないようにお城にいるの~、本っ当に可愛いの~~~!」

大体知りたい情報は手に入れたし、話も脱線しそうだからと思いレオンはシルフィーに尋ねる。

「で、情報交換ってことはこっちも何か話さなきゃいけないんだろ?」

その問いにシルフィーは真面目な顔で答える。

「貴方のエネミーについてです」

レオンはやっぱりそう来たかと思った、この先自分の仲間がどんなエネミーでどんな神器を使うか分かっていないと連携がとれないからな。しかしレオンは

「俺の能力は空間移動と身体強化、あとは空間を切る能力だ」

と嘘を答えた。

しかしシルフィーは疑うこともせず、

「空間移動!身体強化!空間を切れる!凄~い!即戦力ですね!」

と嬉しそうに話して見せた。そしてレオンが

「他に聞きたいことは」

と尋ねると

「こちらからは何もありません」

と言い話は終わった。が、

シルフィーがもじもじしながら

「あの~レオンさん16歳ですよね?私も何です! そ、それで何ですけど良かったらお友達になってくれませんか!!私昔から同じ年のお友達が欲しいなぁ~と思ってて!もしよろしければなんですけど・・・・・・」

呆気にとられたレオンだったが

「別に良いけどさ~、皇女殿下が俺みたいな平民と仲良くして良いのかよ?」

と尋ねるとシルフィーは興奮しながら

「大丈夫です!!!」

と答えた。なのでレオンも

「じゃあ改めてよろしくな!皇女殿下!」

と明るく言うと、シルフィーはちょっと機嫌を損ねたのか

「お友達同士は皇女殿下だなんて言わないわ!」

と拗ねながら言ってきたので、困ったレオンは

「じゃあひんにゅsdっfd、シルフィーでいいか?」

と尋ねると、またさらに拗ねたご様子で

「今ひんにゅうって聞こえましたけど!!まあ良いですわ、シルフィーと気軽に呼んでください・・・・・それに私だって結構あるんですからね!着痩せするタイプナだけですもの」

と言ってきたのでレオンは思わず

「じゃあ触らせろよ」

と言った。するとシルフィーが赤面になりながら

「駄目ですわ!!!殿方に胸を触られるなど!!まだ結婚もしていないのに!!」

とパニック状態で言った。それを面白がったレオンは

「結婚?シルフィーは俺と結婚する気なのか~?だったら触っても問題なかろ~う」

と言いながらじりじりと卑猥な手づかいをしながらシルフィーに近づいて行く。そしてシルフィーは逃げながら

「そういうことではなく!!お友達!!お友達として!!」

そしてさらにレオンからかう

「オトモドチナラヨイデハナイカーーースキンシップ!スキンシップ!」

と壁際まで追い込んだところで部屋のドアが開きいけ好かない金髪のイケメンが神器を持って入ってきた、そして

「これ以上妹に卑猥なことをしたら殺す」

とマジギレトーンで言ってきた。そしてレオンが

「どうせドアの外でずっと聞き耳立ててたんだろ?ちょっとしたお遊びだよ、降参、降参」

それを知らなかったシルフィーは兄に怒った。

「お兄様ひどいわ!!!私に任せてくれるって言ったのに!!!それに盗み聞きなんて!最低!もう口聞かないわ!!」

と怒りながら言い、エレインは焦りながら

「違うんだよシル!お兄ちゃんはシルが心配で~、どうか許してくれないか~?」

それを無視してシルフィーは

「じゃあね、レオン!!今日は楽しかったわ!!また明日~~」

と部屋から去って行った。

それを追いかけながらエレインはレオンに向かって

「覚えていろよ!この恨みは必ず晴らす」

と捨て台詞を吐きながら部屋を出て行った。

そしてレオンは、いやいや恨みとか言われても自業自得じゃねえか、あの金髪イケメン君は相当なシスコンなんだな。エレインの意外な一面が見られて少しニヤける。そして呟いた

「次のあだ名はシスコン皇子だな」

そして、夜も深くなっていたためベッドに横になり睡眠を取った。



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