第2話 今日もペロペロ

その時は来た。


令嬢のベタベタ遊戯の時間だ。


俺は、そのタイミングで触られたくない部位を身を捻り躱すと、


令嬢の手の進行を見切り、その身を捧げたように仰向けになる。


べちゃりべちゃり。さわりさわり。のオンパレード。


「くーん(あー気持ち悪いなあっもう!)」


令嬢の性格は知り尽くしている。


俺に構ってもらえないと感じさせてしまうと、


令嬢は拗ねたように物を投げてくるのだ。


「くーんう(やれやれ・・・)」


令嬢は30分、俺を構うといつもの骨を置いて、その場を去っていった。


その骨はなんでもオークというモンスターの骨らしく、


肉同様、良い出汁が取れるほど美味い。


「ハムハムハムハム!ガジガジッ(これは大好きだ!!)」


その時であった、体内の何かが熱くなる。


「ワン?!(なんだっ?!熱いぞ!!)」


『ペロペロが一定基準値を超えました。スキル【毛立て】を習得しました』


モチ助の脳内アナウンスが響き渡る。


「クーン?(毛立て?)」


モチ助が毛立てとイメージした瞬間。スキルは発動する。


毛が逆立ち、針みたいに地面を突き刺したのである。


針が地面に刺さった状態になると、モチ助の身体は5cm宙に浮いた状態になる。


「!わん!(なんじゃこりゃーーー!!!!!)」


--

次回に続く

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