第496話 アニメの絵柄は変わってこそ

シーズン形式のアニメでは、絵を描く人が何人もいるのが普通なので、話によって印象が異なることがあります。ときには、作画崩壊などと言われて、基準となる絵からあまりにもずれている絵柄になり、批判の対象となることもありますが、個人的には、そうした回があっても良いのではないかと思います。


 何でもそうですが、綺麗に統一されている方が良いというのは、言うまでもないことです。なぜそう感じるのかは分かりませんが、人間とは概してそのような生き物のようです。つまり、生まれながらにして、統一感のあるものに美を覚える性質を持ち合わせているわけで、何かを作ろうとしたら、そうした統一感を出そうとするのが、普通であるといえるでしょう。


 これを反対にいえば、統一感を出さないようにするのは、困難だということです。もともと統一感を出そうとする性質を持っているのだから、統一感を出さないようにするというのは、その性質に逆らうことになります。


 こうした面から、絵柄に統一感のないアニメというものに、一種の神秘のようなものが感じられるのです。神秘というか、性質への抵抗というか……。いずれにせよ、絵柄がころころ変わるアニメは、たとえ作画崩壊などと言われても、映像として観ていて面白いです。

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