第483話 まずは暗記

 勉強は結局のところ暗記だという意見を、最初の内はなかなか受け入れられませんでしたが、最近になってその通りかもしれないと思うようになりました。


 高校なり、大学なりで自分たちが学んでいることは、先人たちが切り開いてきた学問への道の、本当に端の端でしかありません。まずはその端の部分を理解しない限り、新しいことを見つけられるようになどならないというのは、学問の構造からも明らかでしょう。言ってしまえば、基礎が身についていなければ、それ以上先に進めないということになる。そして、様々な知識なり技能なりを覚えることで、頭の中のワーキングメモリーが有効に活用できるようになると思うのです。新しいことを見つけるというのは、今までとは異なる組み合わせ、あるいはグルーピングの仕方を見つけるということで、ゼロから一を見つけるということではありません。その際に、いちいち前に戻って復習していたら、それだけで頭の中がいっぱいになってしまいます。


 ただ、暗記するというのは、無闇やたらに情報を頭の中に詰め込むということではないように思えます。そのくらいしてもしすぎではありませんが、単なるテキストデータとして保存するのではなく、身につくようにしなければ意味がないということです。

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