第482話 結局は同じか違うかの判断

 似ている部分が多いほど、比較の対象になるのではないかと思いました。同じ会社に勤めている社員と自分を比較して、ああ、自分って全然できていないな、と思うことは珍しくありませんが、バンド活動している自分と、テレビに出ている国会議員を比較して、そんなことを思うことはないでしょう。


 似ているというのは、同じ要素が多分に含まれているということで、結局のところ、人間が行っている判断は、同じか、違うかというところに集約されるという、とある先生の話に繋がるのではないかと思います。誰かと自分が似ていると思うからこそ、その差に一喜一憂することになる。初めから差がある、つまり違うのであれば、そもそも比べようとは思いません。


 生まれも育ちも、周囲の環境もそれぞれ個別に違うのに、相手と自分を同じ集合に含めて、似ている、同じというふうに括れる能力は、プラスに作用することも、マイナスに作用することもあります。だから、状況に応じてその括りを当て嵌めたり外したりするのが良いのではないでしょうか。少々ご都合主義なところがありますが、見たら違うと分かるものを、同じだと言ったり、違うと言ったりする人間は、もともとご都合主義なところがあるので、ノープロブレムです。

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