第461話 ユニーク

 夕方に蜩が鳴いていると憂鬱な気持ちになるが、朝に鳴いているのを聞くと、なんだか幻想的で良いな、という感じがしないでもない。


 たぶん、自分は場違いな存在に惹かれるのだろう。要するに、ユニークなものが好きということである。蜩は気温に合わせて鳴いているのだろうから、朝に鳴くこと自体は不思議でも何でもないのかもしれないが、夕方に鳴くというイメージが先にあって、それを壊してくるから好感が持てる。


 人間にも同じことがいえて、自分は、社会的な規範に則っている真面目な人間には好感が持てない。むしろ、その規範から外れて、自分のやりたいようにやっている人の方に惹かれる。見方を変えれば、自分も相反する性質を持っているということになるが、その通りで、普通なら当たり前にできることができなかったり、逆に意図的にしなかったりすることが多い。


 ユニークとは、簡単にいえば、差がある、ということである。特に一般的なものとの差である。その差が大きければ大きいほどユニークの度合いも大きくなるから、個性を出したいのであれば、一般的な指標から遠ざかるのがベストである。

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