第331話 「である」と「と思う」どっちを使う?

 文章を書くときに、断定とそれを和らげる表現の、どちらを使ったら良いのか悩むことがある。断定を和らげる表現とは、文の最後に「〜と思う」をつける表現のことである。


 たとえば、文章の中で色々と説明してきて、最後の締めの部分で「コーヒーを飲むことは義務なのである」と書いた場合、この「義務なのである」というのは自分の考えや意見を述べていることになる。しかしながら、表現上は「である」となっているので、これは断定形である。自分の考えや意見を述べる際には、基本的に「〜と思う」と書かなくてはならないので、より正確にするのなら、「義務であると思う」としなくてはならない。


 実際に文章を書いてみれば分かることだが、断定形で文を終わらせられる内容というのは、想像している以上に少ない。逆にいえば、「〜と思う」の形で終わらせるべき場合の方が多く、したがって、正確性を求めて文を書こうとすると、「〜と思う」で終わる文が数多く出現して、非常に見栄えが悪くなる。


 ここぞというタイミングで「〜と思う」を使う技術が、求められるわけである(求められると思う)。

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