第307話 ストーリーが論理的に展開することは必要条件か?

 ストーリーの展開が論理的ではない、辻褄が合わない、だから良くないといった批判を見かけることがあるが、ストーリーが論理的に展開する必要も、辻褄が合っている必要も、どちらもないと思う。


 ストーリーはどれも作り物なので、論理的でなかったり、辻褄が合わなかったりするのは当たり前だといえる。そもそも、ストーリーとは何のために作るのだろうか。それは作り手によって異なると思われるが、大抵の場合、ストーリーには何らかのメッセージが含まれている。作り手が意識していなくても、受け手がそうしたメッセージを勝手に受け取ることもある。要するに、ストーリーとは、メッセージを伝えるための一つの手段であり、それが伝われば良いと思われる。とある名作RPGのストーリーには、論理的ではない部分がいくつか散見されたが、レビューを見てもそこに触れている人はほとんどいなかった。それは、ストーリーが持つメッセージ性の方が強く印象に残ったからだろう。


 ストーリーを作るときに大事なのは、論理的な展開を心がけることでも、辻褄合わせでもなく、どういう見せ方をするのかということだと思う。ご都合主義な展開でも、ああ、なるほどと思わせるような見せ方が存在する。

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