第306話 言語の在り方も様々

 「晴れる」と「曇る」はあるのに、「雨る」はない。


 「明日は晴れです」と「明日は曇りです」に並ぶ形で、「明日は雨です」にすることはできる。これらは「です」で述べられる名詞の部分が述語になっている。一方で、「今日は晴れる」と「今日は曇る」はできるのに、「今日は雨る」はできない。


 これは、おそらく、空が太陽に照らされることと、空が雲で覆われることを表す動詞として、「晴れる」と「曇る」が先にあり、それが名詞としても使われるようになったことで、「晴れ」と「曇り」という形が生じた一方で、空から水が降ってくることを表す名詞として、「雨」はもともと「雨」という形で生まれたことにより、このような差異が生じたものと思われる(というのは、たった今考えたことなので、本当かどうかは分からない)。


 言語によって発達している品詞は異なるようで、日本語ではいくつかの単語に分けられるものでも、英語ではそれで一つの単語として扱われることもある。これは、世界をどのように捉えるか、特に、どこまでで一つとしてまとめるかということなので、言語学の分野に限らず、哲学や脳科学など、様々な分野に繋がることだと思われる。

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