第279話 アンケートの不可解さ

 アンケートを受ける度に、どれを選んだら良いのか分からなくなる。そういう人は、ほかにもいるのではないかと思う。また、その分かりにくさが、アンケートの正確性を欠くことに繋がるのではないかと心配になる。


 評価の基準が五段階に分かれていて、「そう思う、ややそう思う、どちらともいえない、そう思わない、まったくそう思わない」という選択肢が並んでいることが多いが、これが何を表しているのか、また、そうやって収集したデータをどうやって使うつもりなのか、個人的には疑問である。「そう思う」と「ややそう思う」の違いは、どのくらいなのだろうか。考えや意見に対して、明確な数字(割合、パーセント)で答えることはできないから、「やや」という表現を使うのは分かるが、この「やや」の度合いは人によって異なる。それなら、「そう思う、どちらともいえない、そう思わない」の三つだけで充分ではないだろうか。


 また、選択肢に「まったく〜」とか、「すべて〜」などが含まれていることがあるが、論理的には、これを選ぶことは不可能に近い。そういうニュアンスで答えろということなのだろうが、「まったく、すべて」と断言できる過去の経歴など、そうそうあるものではない。


 選択肢ではなく、一つ一つ文章の形式で答えてもらう方式にすると良いかもしれない。

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