第250話 限定を表す語どこに入れるか

 限定を表す語に「しか」があるが、これを入れる位置は、割と寛容なルールに則って定められているように思える。


 たとえば、「自分はカレーonlyを食べた」という事態を表すには、「私はカレーしか食べていない」と言うが、実際には「私はカレーを食べてしかいない」と言うこともある。前者の表現が「〈カレーしか〉食べていない」というふうに、食べたものを限定している一方で、後者は、本来なら「カレーを〈食べることしか〉していない」といった、行為を限定する表現になるにも関わらず、後者も前者と同じ意味で用いられるのである。


 限定を表す語としては、「しか」以外に「だけ」や「のみ」が存在するが、これらの語の場合は、ものを限定する表現と、行為を限定する表現の二つの使い方が、同じ意味の中で混在することは少ないように思える。「だけ」は割と寛容な面もあるが、「私はカレーだけを食べた」と「私はカレーを食べただけだ」では、「しか」の場合ほど同じ意味で使われることはないような気がする。「のみ」の場合も同じで、「宿題のみをやる」と「宿題をやるのみだ」では、意味が明らかに異なる印象を受ける。


 たった今思いついたことなので、真偽のほどは分からない。ご意見お待ちしております。

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