第246話 〜な人間なんです
「私は〜な人間なんです」という言い方があるが、よくよく考えると不思議な言い方だと思う。
「私は駄目な人間なんです」とか、「私はスマートフォンを使わない人間なんです」のように言うわけだが、こうした内容では、わざわざ最後に「人間」を付けなくても意味は通じるはずである。前者なら「私は駄目です」で良いし、後者なら「私はスマートフォンは使いません」で良い。当然、聞き手も話し手が人間であることは知っているだろうし、わざわざ付け加える必要があるかというと、微妙なところである。
個人的な意見だが、最後に「人間」を付けることで、その性質を帯びているのが自分の特異性によるのではなく、あくまで人間の一つのタイプなのだということを表現しようとしている感じが伝わってくるように思える。「スマートフォンを使わない」というのは、自分一人だけの特別な性質ではなく、あくまで「スマートフォンを使わない人間の集合の一部であること」というニュアンスを伝えようとしているということである。
「人間」ではなく、これを「人」にすると、少し違和感を覚えるようになる。「私は駄目な人なんです」となるが、なぜか変な感じがする(のは、やはり、自分だけか)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます