第235話 ヒーローとしての自分
ヒーローものや仮面何とかには、変身というシステムがあるが、あれはよく人間の性質を表していると思う。敵と戦うために変身するわけだが、ヒーローたちには変身しても特に戦い方に変化はない。変身してまで殴り合いをするし、必殺技はキックである。結局のところ、変身しないと戦えないのではなく、戦うためには変身するしかないのである。
変身とは、通常の自分とは異なる自分に変化することである。つまり、私生活をする自分と、敵と戦う自分は別の姿をしていなくてはならない。これは人間に特有な「立場」の表れのように思える。たとえば、人間は仕事をするときにはそれ相応の格好をする。私生活で着用している服装では仕事ができないからである。仕事をするためには私生活の自分を一時的に封印し、仕事に特化した自分に変化しなくてはならない。ヒーローの変身もそれと同じことのように思える。変身して、姿を変えて、ヒーローに特徴的な格好をしないと、まず敵と対峙することすらできないということである。
一方で、敵はいつでも敵の格好をしていることが多い。変身するヒーローよりも、常時その姿である敵の方が、執着は強いものと思われる。
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