　日本だけなのかは知らないが、この国にはよく分からない行事が多くあるような気がする。

　特に収穫祭をするわけでもないのに、ハロウィンには仮装して大騒ぎするし、キリスト教徒でもないのに、クリスマスにはケーキを食べたりプレゼントを渡したりする。どちらも明らかに国産の行事ではないが、自分が生まれたときにはすでに根づいていたものだから、いつからやるようになったのだろうと不思議に思う。

　国産のものでも、意味も分からずやっている行事は沢山ある。初詣なんかもそうで、なぜ新年の始まりに神社を訪れる必要があるのか、自分にはよく分からない。神社というのが宗教と関連した場所なのかは知らないが、わざわざそうした施設に出向くということは、神社にお参りするという行為が、何らかのイニシエーションになっているわけで、自分の意思とは関係のない力がはたらいていると思わざるをえない。

　ただ一つ救いなのは、そうした行事に参加するかしないかは、個人レベルで決められるということである。キリスト教徒なのにクリスマスを無視するわけにはいかないだろうが、そうでなければ、特に深い意味を求めてやっているわけではないからこそ、拘束力はあまり大きくはないといえる。

　まあ、楽しければ何をしても良いとは思うが……。