第230話 文章に構造があるというのは本当か

 文章には構造があるといわれるが、本当だろうか。


 ちなみに、今書いたのは導入と呼ばれる部分である。この文章全体の中で一番言いたいことを、こんなふうに最初に書くらしい。そのあとに、その導入で言ったことをより詳しく述べ(導入が序論だとしたら、これは本論)、最後に導入で述べたのと同じことや、それを捕捉することを述べて終わる(結論)。


 しかしながら、普通はそんなことをいちいち考えて書くようなことはしないのではないだろうか。伝わりやすいようにするにはどうしたら良いかな、と考えて書いた結果、書かれた文章を後々見返してみると、そういうふうに三段階で展開されているように見えるだけで、初めから三段階に分けようと考えて書いているのではない。


 国語の問題で、どこまでが序論で、どこからが本論で、そしてどこが結論かを答えさせる問題があるが、筆者に問い合わせでもしない限り、そんなことは分からないはずである。それどころか、筆者に問い合わせても分からない可能性が高い。客観的に見るとそういうふうに見えるから、それで良いのだ、ということかもしれないが。

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