第215話 それだけではない
この世界に存在する様々なものは、それにとっては本来不要ものによって支えられている。
たとえば、テレビ番組を支えているのは、それを観る者にとっては不要なコマーシャルである。コマーシャルの放送を求める企業なければ、そもそも番組を作ることができない。あるいは、読むだけならまったく必要がないのに、多くの本にはカバーがかけられている。カバーを作っているのは本を書いたのとは違う人だから、当然本が売れたことで入る利益の一部はカバーを作った人に入る。
現代では、それが持つ本質だけを扱ったものというのが、限られてきているように思える。すべてがそうとはいえないが、どんなものにも余計な要素が付随しているし、その余計な要素がまた別の要素とくっついていたりする。また、それはものだけではなく、人間関係にもいえる。現代では、直接関わりがなくても簡単な手順で様々な人と繋がることができるが、それらも本来は必要のない関係である。
もの、人間関係と続けてきたので、最後に星はどうだろうか。地球は今のところ、ほかの星から余計な要素を得ているということはない。そういう意味では、地球は生来本質の維持に成功しているといえるかもしれない。
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