第214話 余裕とは時間

 何かをするときには、それが成功しないことを念頭に行うと、そうでない場合よりも安全だとする主張がある。成功しないことを念頭にというのは、ネガティブに物事を捉えるという意味ではない。失敗した場合のことを考えて、余裕を持たせておくという意味である。


 考えてみれば当たり前の話だが、絶対に成功すると考えて何かをするのはおかしい。スポーツの大会など、引くに引けない状況で、自分にやる気を入れるためにそんなふうに考えるのなら分かるが、そうでなければ成功することだけを考えるわけにはいかないだろう。学校や会社に行く際に、交通機関が遅れないことを前提に家を出るのではなく、万が一遅れても間に合うように、時間に余裕を持たせて出発するべきだということである。


 余裕といわれて思いつくものというと、心の余裕が挙げられるが、これを持つためには自分のやるべきことをすべて完了させておく必要がある。心の余裕があるとは、ほかの人から何かを頼まれる可能性を考えておいて、そのために自分の課題を予め完了させている状態を指すとも考えられる。結局のところ、余裕には時間が大きく関わっているわけで、余裕を持つには時間を多くとる努力をしようという話になる。

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