第164話 挨拶でしか繋がれない関係

 やたらと挨拶に拘る人とは、挨拶でしか繋がれない、と個人的には思う。普段は挨拶をしていて、今日はたまたましなかっただけなのに、それだけで腹を立てる人というのが、社会の中には少なからずいる。


 何度も疑問に思ってきたことだが、そもそもの問題として、挨拶は何のためにするのだろうか。自分の気持ちを伝えるためとか、人間関係を円滑にするためとか、色々な理由が述べられるだろうが、それは、結局のところ、その程度の関係、ということではないのか。自分の周囲にいる親しい人間は、挨拶をしない人が多い。おそらく、挨拶なんてしなくても気持ちは伝わるし、円滑な関係を築けると考えているからだろう。挨拶をしなくて済むのなら、しないに超したことはない。言葉をすぐに省略するような面倒臭がり屋の人間が、そこまでして余計なことをするとは思えない。


 幼稚園や小学校のときから、理由もなくやたらと挨拶挨拶と教えられるのは、社会に出たときのことを考えてのことだろうが、社会の方が間違えている可能性というのも、まったくないということはできない。

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