第127話 少し昔のものに触れる

 昔の作品だと楽しめないという人がいるらしい。たしかに、あまりにも古すぎると気後れしてしまうのは分かるが、十年、二十年くらい前のものであれば、面白さを見出すことはできるのではないか、と思う。


 多くの場合、昔の作品というのは、今の作品に比べれば、洗練されていない部分が残っている。それは仕方がないので、腹を括るしかない。そう考えたうえで、どこまで耐えられるか自分を試す意味でも、昔の作品に触れることは有意義だと思える。さらに、昔の作品に触れれば、今の作品がどれだけ洗練されているかが分かるし、今の作品だけでは理解できない部分が理解できたりする。


 スマートフォンやゲームハードなどは、年々新しい型が開発されているが、その種のハードについては、いちいち新しいものを買っても、あまり恩恵は得られないように思える。はっきりいって、売り手の戦略に騙されているような気がする。新しいものに引かれるのは分かるが、新しいといっても、機能がスペックアップされているくらいで、もう、これ以上何も付け足すことはないから、既存の機能を拡張しました、というようにしか見えない。それなら、あえて一世代昔のものに触れた方が、今自分が持っているものがどれほど優れたものなのか知れる良いチャンスになるのではないか、と思う。

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