第89話 時間に対する価値観
自分がどのようなことをするにしても、必ず時間が必要になる。これは、言い換えれば、自分の寿命を削ってその物事に当たる、ということでもある。一日三時間勉強したら、自分の寿命は間違いなく三時間減るし、そのあと三時間遊んだら、合計で六時間減ることになる。そして、一日中何もしなくても、寿命は二十四時間減る。
何もしなくても等しく時間は過ぎるから、何かした方が自分にとってプラスになる、と考えるのが普通である。過ぎた時間は返ってこないから、消費できるタイミングで消費するしかない。ただし、これは、自分の生を大切だと考えた場合にのみいえることであり、そうではなく、いつ死んでも構わないと考える人間には、この理屈は通用しない。何もしないで寿命が二十四時間減ろうと、そんなことは関係がない。死んでしまえばすべて終わりで、自分がどのような人間で、何をしてきたかということさえ、自分には認識できなくなってしまうのだから、そんなことに何の意味があるのか、と考えれば、時間に価値を見出すことはできない。
もちろん、こんなことを常時考えていたら、頭がおかしくなる。だから、何か選択をしなくてはならない場合に、一つの指針として参考にするのが良い。時間は返ってこないから、自分にとってプラスになる方が良いと考えるか、時間が返ってこないとしても、自分はいつ死んでも構わないから何でも良いと考えるか、人それぞれである。
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