第51話 科学と宗教は表裏一体

 科学と宗教は密接に関係している。


 これら二つが治める領域はまったく異なる、と認識されることが多いが、実はその逆で、目指していることはほとんど同じだといって良い(科学の知識も、宗教の知識もほとんど持ち合わせない、一個人としての極めて稚拙な見解にすぎない)。たとえば、宗教上の教えを伝えるとき、〜という理由から、〜という行いをすべきだ、と説くが、これは典型的な論理的な説明であり、科学的な説明を行うときにとる手順とまったく同じである。また、科学の場合はこの世界を作った絶対的な存在を定義しないが、宗教では何らかの絶対的な存在を定義することが多い。けれども、定義するか、否か、という点はあまり重要ではない。定義しようがしまいが、結局この世界が生じた起源に理由を求めているのは同じであり、慎重な科学だと、万人に理解される絶対的な存在を指定することができず、特定の枠組みを決める宗教では、万人に理解してもらいたい絶対的な存在を恣意的に示す、というだけの違いでしかない。


 結局のところ、科学も宗教も対象の表現の仕方が違うだけではないか、と私は考える。ちなみに、私は科学にも宗教にも(今のところは)肩入れしていない。

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