第32話 ある程度の思い込み

 ある程度の思い込みは必要である。


 たしかに、自分がまだ知らないことを勉強したり、知らない人に会ったりしたときに、それらの対象がどのような性質を持っているのか、自分勝手に決めつけるのは良くない。そういう先入観のバイアスがかかれば、正しい理解ができなくなって、最終的に損をするのは自分である。というわけで、「ある程度」の思い込みを上手く使うことで、物事を円滑に進められるようになる。


 たとえば、まったく知らないことを勉強するとき、本を読みながら「こういうことではないか」と自分なりの見解を考えながら読むと、その見解が合っているのか、それとも間違っているのかが明確になり、より的確かつ効率的に学習を進められるようになる。頭をまったくの白紙の状態にして、一からそこに新しい情報を書き込んでいくのではなく、予想される骨格をある程度自分で作ってから、そこに新しい要素を肉付けしていくイメージ、とでもいえば良いだろうか。


 どんなものにもいえることだが、ある程度の思い込み、言い換えれば、ちょうど良い匙加減が重要である。

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