第26話 正しいメモの使い方

 メモを情報の保存場所として使う人が多い。けれど、それは間違った使い方だと思う。情報は頭の中に保存したいわけだから、外の媒体に保存するのはあまり良くない。というわけで、メモは、記憶するための補助装置として使うのが良い。


 たとえば、授業を受けていて、自分の知らない新しいことを発見したら、そのタイミングでメモをとるわけだが、そこにすべての情報を詰め込んではいけない。本当に必要な厳選された情報だけを素早く書き込む。その情報は、メモに書き込んで完了ではなく、最終的には自分の脳に保存されなくてはならない。メモにすべての情報を書き込むと、それで安心してしまって、何一つ記憶しようとしなくなるし、あとでメモを見返すこともなくなる。


 メモをとるときは、ノートのページ全体を見渡すとなお良い。そうすると、自分がどこに何を書いたのか、といった位置情報も同時に記憶される。一見すると、覚えるべきことが増えたようにも思えるが、位置情報と文字情報がリンクすることで、より記憶しやすくなる。


 本当のメモは、人の頭の中にある。

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