第12話 時間は本当に存在するのか?

 時間というものは、本当にあるのだろうか。


 もし時間を止めることができるなら、その瞬間に地球の自転と公転が止まるわけだが、それでは、反対に、何らかの機能を用いて、地球の自転と公転を止め、その上で暮らす生き物が、すべて示しを合わせて動きを止めたら、それは、時間を止めたのと同じことになるのではないか。つまり、時間というものは、物体の移動を抽象化した概念だといえる。物体の移動を止めれば、それと同時に時間という概念も喪失されてしまう。


 空間は確かに存在するが、時間は確かには存在しない(しかし、空間を認識しているのも、あくまでそれを観察している主体だから、本当は、確かに存在する、とはいえない)。タイムマシンというものを作るとしたら、いったいどのような方法を採用するのだろう?


 これは冗談だが、地球が自転するのと反対方向に向かって歩くと、過去に行けるのではないか、と考えたことがある。もちろん、そんなはずはないが、気になった人は試しにやってみると良いと思う。まず、太陽がどこから昇るかを確認して、地球が自転している向きを把握するのである。

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