完璧とは言えないけど気持ちいい日
気持ちいい陽。
綺麗事じゃ、って泣き笑う今日だけど。
僕はなんとなく世界を憂いていたが、たまにはなんとなく世界を愛してもいいんじゃないかと最近は思い始めた。
近くに海があるからか漣の音がする。
街の声は騒がしすぎて分からないけど、風の声はいつも聞こえる。
鳥の声というよりは鳥の想い、しいて言えばこの島の想い、この世界の想い、この地球の想い、そして廻り回って急に些細なことになって、でもそれがすべてな君の想いが僕の心に響いた。
これを共鳴と呼ぶのなら、これを共感と呼ぶのなら、自由にすればいい。
今なら軽く笑えそうなのだ。
難しく考えたがる僕らだが、今は、今日は、なんでも愛せそうで、なんでも許せそうなのだ。
と言っても認められないこともある。それが現実で、切ないことなのだろう。
例えば一昨日は仕事が忙しくて笑えなかった。例えば昨日は君とあまり喋れなくて笑えなかった。例えば今日は……いやいや、今日はまだ終わってないから断定などしない。
今日が笑えれば明日も笑える。今日が笑えなくても明日は笑えるかもしれない。
でも今分かることは結局ただ一つで、僕は太陽を浴びながら、青色の空の下で、君と笑うビジョンを追いかけ、早歩きで道を歩いてるに過ぎない。結局はそれに収束する、それに限る。そして。
「ただいま」
「おかえり」
気持ちいい日。
完璧とは言えないけど気持ちいい日。
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