第二話
マユイル「何と書いてあるのですか?」
シャウル「どうやらこの手紙を書いたのはユースイルという名前のユリギエルの失われた杖を隠した張本人で、この手紙には三百年前に邪神ファボールと戦った時の話と、ユリギエルの失われた杖のありかについて記載されているようです。」
シャウルは手紙の続きをマユイルにも聞こえるように音読して読んだ。
シャウル「(私はこの手紙を書く三か月前に森の賢者モログらとともに影の勢力の復活をもくろむ邪神ファボールを倒した。しかし、邪神ファボールは完全に死んではおらず、いつの日か彼の部下とともに復活し、ミスティアに災いをもたらすだろう。邪神ファボールを倒すためには五百年前の「霧に隠された秘宝」をめぐる戦いでファボールと同等に渡り合った魔術の神ユリギエルの持っていた杖でファボールの心臓を破壊しなければなりません。私がこの世を去った後にユリギエルの杖をそこらの魔物に取られては困ります。来るべき日のためにユリギエルの杖をこの地下世界ウボーギルに隠します。
では、そのユリギエルの杖のありかについてですが、これについてはあなた方が自分で見つけてください。)これで終わりです。」
マユイル「今更思い出したのですがこのユースイルという人物は三百年前に邪神ファボールを倒したジュコイルの聖女で私の血族にあたるジュコイルの歴史に残る偉人です。」
シャウル「しかしユースイルはなぜここまで厳重にユリギエルの杖を隠しているのでしょうか?この手紙を置いていた場所にそのまま一緒に置いておくかジュコイル内で厳重に管理しておけばいいのに。」
マユイル「おそらくですが三百年前にファボールの部下の中にユリギエルの失われた杖を奪おうとたくらんでいるものがいたのでそのものを警戒しているのでしょう。」
シャウル「もしそうなのであれば相当優秀な魔物で、すでにウボーギルの中で嗅ぎまわっているかもしれないのでこの先そのものと戦うことになるかもしれませんね。」
そう言うと二人は洞窟の奥へと進んでいった。
しばらく一本道の洞窟を奥へ進んでいくと、大きな両開きの扉に突き当たった。大きさはシャウルの頭を少し超すくらい。扉の上には雨漏り用の屋根の様なものが取り付けられ扉の両脇は石灰でできた白い支柱で支えられている。扉の淵は茶色でかたどられ、 取っての色は金色で淵の中は赤色で塗られている。
シャウル「この扉は何でしょうか、洞窟の中で雨が降るわけでもないのに雨漏り用の屋根の様なものが付いています。」
マユイル「屋根の必要性はわかりませんがこの先へ向かう以外なさそうです。」
シャウル「」
霧の異世界物語(ミスティアストーリー) ピーター@16歳ニート @kennmiu
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