第三章 コスロー防衛編

第一話  目覚め

ミルオース「脱出成功です。」

シャウルはその言葉を聞き緊張がほぐれた。そして一行は倒れるようにその場で眠りについた。

シャウルは眠りの中で夢を見た。そこは暗い洞窟の中、何本にも道が分かれる迷路のような洞窟の一番奥で何かが光り、シャウルを読んでいるような気がした。

目が覚めると、ベッドの上だった。ゆっくり体を起こすと、周りがぼやけて良く見えないが白い部屋の中にいた。シャウルの横にもシャウルと同じベッドが並び、マユイル、モーシー、パスジル、ほかの七人もそこに寝ていた。しばらくすると部屋にミルオースが入ってきた。

ミルオース「おお、起きましたかシャウル。」

シャウル「ここはどこですか?」

ミルオース「ここはオウルの城の治療室です。オウルについた後、私がソルゴーから運び出し、ここに寝かせていたのです。」

シャウル「では王に伝えなければいけない情報があります。邪神ファボールの動きについてです。」

ミルオース「いいでしょう。では私が伝えておっ来ましょう。」

シャウル「まず海底都市ダラスを根城にして魔術師たちを捕えていたのは邪神ファボールの側近の三人のうちの一人である炎の悪魔メジクリアスでした。メジクリアスはまだ実力を十分に出せてはおらず、いったん傷を負わせて退けることはできましたが、それでもとてつもない強さの相手でした。メジクリアスはダラスの地下に根城を作り、その中に大量の魔物の軍勢をため込み、我がコスローの大森林を落とすための軍勢を編成しています。」

ミルオース「それはとんでもないことです。魔術師たちを救い出してくれた恩があります。王はコスローへの支援を惜しまないでしょう」

シャウル「私はすぐに大樹ヨルフ様にこのことを伝えなければなりません。神器はどこですか?」

ミルオース「こちらに保管してあります。」

そう言うと部屋のドアを開けて廊下に出た。どうやらシャウルが寝ていた部屋は前にナドーリアとモーシーと話した会議室の隣の部屋だった。

ミルオースは三階に上ってすぐ右の部屋の中にすべて保管してあったが、ユミユルが小型化してぐったりしている。

シャウルはユミユルに食料を挙げていないことに気付いた。

シャウル「ミルオース私が持っていた木の実はありますか?」

ミルオース「それもそこに置いてあります。」

シャウルは木の実の入った袋の中から木の実をいくつかユミユルにあげた。

シャウル「少しの間、風のマント以外の神器を預かってもらえますか?」

ミルオース「いいでしょう気を付けていってらっしゃいませ。」

シャウルは木の実の袋を持ってマントを羽織り、走って城門から出た。ユミユルもいないので風のマントの力で背中に風を集めて走る自分の背中を風で押しながら、コスローの大森林へ向かった。シャウルは海底都市ダラスでの一件の後に風のマントの扱いが上達していることに気付いた。

風で押せば走るよりかは速いがシャウルは早くて二日くらいかと思った。


二日後


シャウルは進みながら食料を補給して、寝ずにコスローの大森林へ向かった。

シャウルはコスローの大森林に入った時コスローの木々が以前よりも弱っていることに気付いた。




シャウルは大樹ヨルフのもとへ急いで走って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る