第92話 マリアの恋人

1985年のアメリカ映画です。


30年くらい前に一度見たきりのこの映画、それほど有名でもないし、特段賞らしきものもとっていないようだ。


しかし私は何故か未だにこの映画が印象深く、キース・キャラダインの主題歌とともに懐かしく、忘れることができない。


あれ以降再び見る機会には恵まれていないが、この映画については書き残しておきたいと感じた。



舞台はペンシルベニア州の片田舎。

映画は、戦争に行っていて、5年間の軍での生活の後、退役になる主人公イヴァンの言葉から始まる。それは確かに、「家に帰りたい」だったと思う。

退役になる時、上司から「今一番なにをしたい?」と聞かれ、そう答えたのだった。


田舎に帰ってきたイヴァンには、5年間片時も忘れることのなかった看護師の女性、マリア(ナスターシャ・キンスキー)がいたが、彼女にはアルというボーイフレンドがいた。


ある朝、イヴァンはマリアを連れてバイクで広い草原に行く機会に恵まれる。そこで、土の中からイヴァンが掘り出した錆びついた箱の中にはイヤリングが入っていた。無事帰還したら、マリアに渡すつもりだったものだ。


イヴァンはマリアの心を掴んだ。


2人は結婚する。

しかし、イヴァンは売春婦は抱けても、マリアに対しては性的不能者だった。

軍人生活の後遺症か、あるいはマリアを純粋に愛し過ぎていたのか?


イヴァンにとって、マリアはその名の通り、聖人だったのかもしれない。


イヴァンはある日、マリアに売春婦を抱いているところを見られてしまう。


やがてある日、イヴァンは町から姿を消してしまう。


マリアは流れ者のギター弾きクラレンス(キース・キャラダイン)の子供を身籠ってしまう。


映画は、イヴァンとマリアを中心に、2人の苦悩と周りの人間模様を追っていく。


ハッピーエンドとはいかないまでも、バッドエンドではない。


そしてラストは「家に帰りたい」というイヴァンの言葉で終わる。


何しろ30年前に一度見たきりの映画だから、覚えてるところより、忘れたところの方が多くて、こんな形になってしまったが、情感豊かな、いい映画だっと思う。

機会があれば、もう一度観てみたいと思う。

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