第83話 陽のあたる場所
1951年のアメリカ映画です。
ダンサー・イン・ザ・ダークをちょっと思い出した。
あれほどキツくはないが、裁判の判決の理不尽さが、そうさせたのだと思う。
それにしてもエリザベス・テーラーのキレイなこと。男なら誰だって、クラクラめまいがしてしまうだろう。
それも含めて、この映画について、「世界映画名作全史」の中で猪俣氏がとても巧みな表現を使っていた。
『陽当たりの悪い場所に生まれ育った、それだけ幸福に恵まれることの薄かった青年が、にわかに陽の当たる晴々しい場所に出て目がくらみ、思わずもよろけ、つまずく哀れさにこの作品では焦点を定めた(略)』
簡単に言うと物語はこうである。
伯父の経営する有名企業の工員として働かせてもらっている青年(モンゴメリー・クリフト)は、同僚の22歳の女性と親しくなる。
デートを重ね、深い仲になる。
ところがある時、伯父が彼の働きぶりを認め、自宅のパーティーに呼び、彼の昇進を約束する。
ところがそこには美しいいとこがおり(エリザベス・テーラー)、2人は恋に落ちてしまう。
しかし、付き合っている同僚の娘の妊娠が発覚し、彼女は彼に結婚を迫る。
しかし、一方で、彼女さえいなければ、彼には目もくらむばかりに美しい社長令嬢との、華々しい未来が開けているのだ。
さあどうする。
しがない工員の娘と結婚して、陽の当たらない場所で、細々と子を育てる人生を選ぶのか?
それとも大企業の社長令嬢と結婚し、陽の当たる晴々しい場所で生きていくのか?
彼は思わず、目がくらんでしまう。
そして彼がとった行動は・・・?
監督はジョージ・スティーブンス。「シェーン」「ジャイアンツ」「アンネの日記」などを手がけた名匠である。
モンゴメリー・クリフトが、貧しいが正直で、しかし少し陰りのある好青年を演じていて印象深い。
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