その他の高く評価された作品
第57話 カビリアの夜
1957年のイタリア映画です。
私に言わせれば,フェデリコ・フェリーニの映画は何か奇妙である。変なのである。
たとえばこの作品で1番変なのは、カビリアは有名な俳優と出会ってナイトクラブに連れて行ってもらうが、そこで肌の黒い2人の痩せた女性が変な踊りを踊っている。
何なんだ、この踊りは?
映画の物語とどう関係するのだ? といった具合なのである。
そもそもこの映画のストーリーを簡単に綴ると、堅実に家を買い、堅実に貯金もしているちょっといかれた風の売春婦が、男に騙され続け、それでも最後に出会った自分に言い寄ってくる男を信じるが、結局家も全財産もその男に持っていかれてしまうという悲惨な話である。
もう、救いがない。神も仏もないのである。
しかし何なのだ。男に殺されかけて、全財産を取られ、泣きながら歩き始めると陽気な奇妙な若者たちがやってきてカビリアを囲み、楽器を奏で、歌って楽しそうに踊る。
カビリアは次第に歩きながら笑顔を取り戻す。
この場面も一体何が言いたいのか私には皆目分からない。分かる方は是非教えていただきたい。
フェリーニは、この前に「道」で脚光を浴び、この後「甘い生活」でその地位を不動のものにしたが、おそらくどれも観る人が観れば、すごぶる優れた作品なのだろう。
私は両方とも高校生くらいの時に観て、よう分からんかった。
この、カビリアの夜も、今見て分かるような気もするが、今ひとつしっくりと心に収まらない。なんか座りが悪い。
結局、私にはフェリーニの芸術はわからないのだろう。
しかし、それにもめげずに、いずれ8 1/2も取り上げるつもりである。
何てったって、私の好みに関係なく、高く評価された作品を扱うのがこの章のテーマなのだから。
カンヌ映画祭最優秀女優演技賞受賞。
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