第19話 わんぱく戦争



1963年のフランス映画です。


日本では、羽仁進監督が1961年に演技の経験が全くない、本物の不良少年を集めて作った映画「不良少年」が、黒澤明の「用心棒」を抑えてキネマ旬報ベストテンの第1位に輝いている。

私はこの映画を是非見たいのだが、まだその機会に恵まれていない。


一方、この「わんぱく戦争」だが、私はこの映画を子供の頃見てとても面白いと思い、大人になってからもう一度観て、やっぱり面白かった。

いたずら小僧たちを描いてなんともユーモラスで、観てて楽しくなるのだ。


白黒の画面いっぱいに、子供たちのエネルギーがほとばしる。


舞台は南フランスの田舎の村で、隣り合った村どうしの子供たちは、いつも険悪な関係だった。


片方の村の子供たちの大将を、頭文字をとってR君としよう。片やもうひとつの村の大将はA君。そして、両方ともメンバーはまだ小学生くらいの子供たち10人くらいである。いつも戦う場所は村の境界にある原っぱだ。


ある日、敵中に単身飛び込んだR君は捕虜にされてしまったうえ、服のボタンを全て取られただけでなく、ズボンの吊り紐を切られ、靴紐もズタズタにされてしまった。

家に帰ると、父親に殴られ、寄宿学校に入れるぞ、と怒られた。


そこで次の戦いの時、彼の作戦で全員素っ裸で敵に挑んだ。素っ裸なら敵に捕まっても取られるものは何もない。


この作戦は成功したのだが、皆いばらで身体を傷つけたり、風邪をひいたりで、結局あまりいい戦略ではなかった。


そこで、次にはみんなでアルバイトをしたりして、お金を貯めた。そして秘密の小屋、つまり秘密基地を作った。

そこでR君始め村の子供たちは、酒を飲んだり、タバコを吸ったり、すっかり大人のようなパーティーを開き、結局皆気分が悪くなったり、吐いたりした。


そして挙げ句の果てには、敵の大将A君にトラクターで小屋をつぶされてしまった。


そんなこんなで子供たちは皆家に監禁され、R君はとうとう寄宿学校に入れられてしまう。と、なんと隣のベッドに新入りのA君が入ってくる。


「なんだお前もか!」


R君とA君は抱き合って喜ぶのだった。


私が小学生の頃、いつも昼休みにこの映画の主題歌がかかっていたのが懐かしい。


愛すべき一本だと思う。

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