第15話 アンネの日記



1959年のアメリカ映画です。


1959年といえば、フランスではヌーベル・バーグが台頭してきた年だ。


ジャン・リュック・ゴダール、ルイ・マル、フランソワ・トリュフォー、そしてアラン・レネなど、既成の映画製作の常識を打ち破る、新しい波が押し寄せていた。


しかしアメリカでは、この静かな名作が製作されていた。もちろん、原作はアンネ・フランクだ。


私は自慢じゃないが、原作は読んでいない。

しかし映画には深い感銘を受けた。私が知る限り、そういう方も結構いらっしゃるのである。


コロナで外出が自粛となっただけでこれほどストレスなのに、アンネたちの屋根裏部屋での生活は、どんなに息が詰まるものだっただろう。


アンネがただひたすら日記を書き、それが世界中の人々に読まれるようになった時、既に彼女は若くしてこの世にいなかった。


私たちはまだ、平和で戦争のない世界というものを実現していない。


そういう意味では、文学や、映画の力は微々たるものだと言わざるを得ない。


しかし、それでもアンネは最期に書いた。

「人間の善意は永遠に失われないと信じています」と。


そうした善意ある人々によって、この日記は後世に受け継がれていくだろう。


そして多くの方たちと同様に、決して2度と戦争は起こらないと、私は信じたいのである。

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