夢か現か

 秒針がチッチッチッ、と忙しなく動く。午前四時を十三分経過したところ。

 目が、醒めた。なにか夢をみた気がするが、もう思い出せない。掛け布団を頭上まで被り、時計に背を向け、身体を丸める。

  顔近くで合わせた両の手。指を交互に差し込み、第二関節から内側へと折る。丁度、なにかを願うような形。

 閉じたまぶた微睡まどろみの優しい中に、誰かの体温を感じた。

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