第67話 かくめいを起こす!!


 俺とアラスは閉じ込められた。

 まあ、これは【転移】で逃げられたので、全然問題なかった。


 そして、フレイヤたちと合流して【転移】でティナの待つ家まで戻り、会議を始めた。


「こんなヤツが国王だったなんて……」

「だが、引き摺り下ろすには数が必要だ。平民じゃダメだぞ? 宛てはあるのか?」


 エドワードの疑問に俺は笑みを浮かべた。


「私とアラスはその大きな国滅亡の危機を救いました。つまり、大きな恩が売ってあるのですよ」

「よりにもよってコルトキュル大帝国かよ……」


 もうあそこの国も関与してるから、盛大に捲き込んで問題無いだろう。


「コルトキュル大帝国の王女を殺したのはこっちの国王ですからね。この書類を見せれば向こうはノリノリで協力してくれますよ」


 俺は国王が出した王女殺害の司令書を見せる。

 そして、『思い立ったがすぐ行動』というモットーを掲げてコルトキュル大帝国に突撃した。


「これは……! わかった。喜んで協力しよう。共にアマヤ王国の国王をぶっ潰そう!」

「殺すのは惜しいですからね。引っ捕らえて両国民たちの目の前で国王をボコボコにして、その憐れな姿を目に焼きつけてから殺してやりましょうね」


「ティア様、お主もなかなか悪よのぉ?」

「陛下ほどではありませんよ」


「「ハッハッハッハッ!!」」


 なんとも物騒なお話をして交渉成立。襲撃は1週間後となった。


 その1週間の間に俺たちは王都に住んでいる平民たちを【転移】で誘拐し、ギルドの用意してくれた現在は使われてないいくつかの屋敷に住まわせるということを繰り返した。


 国民には罪がないからな。ついでに邪魔されると厄介だったから門番たちも連れ去ったぞ。だから王都にいるのは王宮に住んでいる者だけだ。


 今頃国王はイズの用意した結界で王宮から出られずに苦しんでいる頃だろう。

 街中に誰1人として居ないのだからな。これから戦争っぽいことが起きるのは間違えないと思うだろう。




 そして、準備をしてただけだというのにもう1週間が経ってしまった。


 国王を引っ捕らえるのは俺とアラスも同行する。理由は国王の「何故お前らが生きてるんだ!?」が聞きたいから。


 そして、王宮に住んでいたメイドたちを捕縛し、俺とアラス、コルトキュル大帝国の国王の三人で謁見の間へと突撃した。


「久しいなアマヤ王国の国王よ」

「コルトキュル大帝国の国王陛下、このようなことをして許されると思っているのか?」


 俺とアラスは光魔法の加護を使い、国王から姿を見えなくしている。


「許されるとも。……貴様が我が娘を殺したのだからなッ!!!」

「そんな証拠何処にあるという!」


 国王が証拠を求める。なので、俺は光魔法の加護を切り、国王の前に立ちはだかる。


「証拠ならコレですよね?」

「バカな!? 貴様らはこの私が幽閉したはずだ! なぜここにいる!?」


 予想通りの反応をしてくれて少し満足したが、本当に満足するのはこれからだ。


「私たちは無敵ですから。あんな所から脱け出す程度、歩くことよりも遥かに簡単です。

 さあ、証拠は出揃いました。貴方を拘束します。文句はございますか?」

「くっ……!」



 国王は俺の闇魔法で魔法が封じられた状態で拘束されたのでした。


「よくも裏切ったな……聖女風情がッ!」

「裏切ったのは貴方です。

 自国の民だけでなく、他国すらも裏切ったその罪を地獄の底で受け止めなさいッ!!」







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