第5章 調査と処刑と復讐劇
第64話 新しいお家はお庭に生まれた
あれから1ヶ月が経ち、今日はアラスが俺に見せたいものがあると言われて、みんなでアラスの後ろをついて行く。
すると1つの一軒家が見えた。
「ここが俺たちの新しい家だ」
何処にでもある普通の一軒家だが、ここでアラスと過ごすということを考えるとまた気持ちが変わってくる。
けど…………
「ここ、ウチの庭なんですが……」
「『街には危ないヒトがいっぱいだ! 俺の目の届かない所に家を置くな!』というお義父様の意見に従った結果だ」
エドワードのヤツめ。これが良いことなのか、悪いことなのか、わかりにくいことしやがって……
「そういうわけで中を案内しよう」
中に入るとまず驚いたのが土足厳禁ということだった。
新しい家を汚したくないだけかと思ったが、アラスの故郷では土足の方が珍しいらしい。
それから部屋の紹介をされたが、この『畳』というモノが使われてる部屋はベッドや椅子が無く、『座布団』という薄っぺらいけどそこそこ重みのある敷物に座り、食事をするらしい。
今までの生活とは大きく異なっているので少々落ち着かない部分もあったが、アラスにとってはこれが普通なのだろう。
だったら、俺は未来の妻としてアラスに揃えてあげないとな。
「しれっと妻宣言したわね」
「……~~~~~~っ!?」
無意識に言ってたことに気づき、顔が赤くなり、ティナの腹を殴るが、魔力で強化していない状態だったので、ポカンという可愛らしい音がなった。
「気づいてなかったのね。……一人称変えたら?」
いやっ、それしたら物語が終わる雰囲気出ちゃうだろ? 国王を殺してからな。
「そういう問題なんだ……」
さてと――――――
「国王を殺しに行きましょう」
「「「「おい聖女!」」」」
全員に止められた。
なんだよ。文句あんのかよ。
「まだ国王が犯人と決まったわけじゃないだろ」
「でも国王を殺せばティナは救済されると思うのですが……」
「殺された国王はどうするんだよ」
……国王? アイツなんて別にどうでもよくね? でも反論しないと止められるし……
「殺すってことは【救済】なんですよ」
「とんでもない迷言でたな。お前本当に聖女か?」
「聖女ですよ?」
エレノアが死ぬまで次期だがな。
ふと思うのだが、エレノアって今いくつなんだ?
年齢とか聞いたことないし、全くわからんな……。
特にシワが増えてるとかそういうわけでもないし、むしろ俺が小さい頃から何も変わってないようにすら感じるのだが……
「――――っ!?」
何者かの冷たい視線を感じ、肩を震わせて辺りをキョロキョロと見回す。
「どうした?」
「い、いえ……」
エレノア、恐るべし……!
「よしっ、じゃあ国王についてまずは調べあげるか。調べる範囲は――――」
「今から50年前までの間です」
「――――だそうだ。ティナは住民たちに目撃されないよう、なるべくここに居てくれ。
……じゃあ各自調査開始だっ!」
「「「「はいっ!!」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます