第63話 帰ってきた我が家
闇の王を討伐して俺は家へと帰ってきた。
エドワードは空になった財布を見て嘆いていたが、二人とも俺が無事帰ってきたことを喜んでいた。
「今日は久々に家族で入るか!」
「えっ……私、1人で入ります……」
エドワードが風呂に誘ってきたので断る。
ちょっと今日は一緒に入れないわ。
「…………ティア、一緒に入りましょ?」
お、おう……どうしようティナ、エレノアからの圧力がヤバい……
俺がティナに視線を向けるとティナはぷいっと横を向いて助けてくれなかった。
「さっ、行きますよ」
「……はいっ」
◇◇◇
うん、バレた。エレノアにバレたよ。
でもね――――――
「今度からは避妊具使ってくださいね。私のを差し上げますので」
「えっ?」
エレノアはそんなに怒ってなかった。むしろ、避妊具くれてやるからもっとヤれと……そういう雰囲気だった。
「まさか怒ると思いましたか?」
「はい……」
「ティアが幸せなら文句は言いませんよ。でもティアの年齢で妊娠されるのは少し困りますので、避妊だけはしてくださいね?」
「……はいっ!」
◇◇◇
というわけで、俺はこの国の聖女様であるエレノア様から避妊具を授かった。
……まさか母親から避妊具を貰う日が来るとはな。
「ティア、何を貰ったんだ?」
「【
「ブギャァッ!?」
エドワードが近づいて来たので吹っ飛ばした。
父親の癖にデリカシー無さすぎ……
「い、威力上がってやがる……」
「闇の王から略奪してたもんね……」
おかげで闇魔法の威力がヤバいことになってたよ。
それに【
まあ、刀は使えなくなったし、短刀は前世の俺に繋がるモノだから使いたくなかったので、ちょうど良かった。
「それはそうとだ…………彼女はだれだ?」
おい、俺が風呂に入ってる間に誰か1人ぐらい説明しとけよ。というかティナの問題だろ。自己紹介ぐらいしろよ。
「お父様、私の刀ですよ」
「刀?」
「はいっ、中に入ってた霊が闇の王と関わったことで顕現したっぽいです」
「……【ターンアンデッド】!」
「ギャアアアアアアアアアアッ!!!」
お母様がティナに目掛けて浄化魔法を撃ち放った。
ティナが浄化されてる!?
「お母様やめてください! 私はティナの未練を叶えるんです!」
「……そう。なら、責任を持ちなさい。アンデッドをその辺に放置するのは許されないことよ」
「はいっ、わかってます」
「なので、浄化魔法を止めて頂けないでしょうか……?」
「……アンデッドを前に浄化を止めるなんて聖女の名が廃りますッ!!!」
魔法の威力がより一層強くなった。
「ティア、今まで、ありがとう……」
「ティナーーーーーッ!!!」
「なーんちゃって!! 浄化魔法なんて1ミリも効いてませーん!」
……なんだコイツ。俺もエレノアを手伝おうかな?
「ヤメテ。ティアは洒落にならん……」
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