第61話 闇の王にだって性癖はあるもの!
アラスが闇の王と戦闘を行っている間、俺は脳内ハウリングを続けていた。
「くそっ! 闇の中でちょこまかと!」
『生憎だが、貴様ごときに俺を仕留めることはできない』
どうやら苦戦している様子だ。手助けしたいが、ハウリングを止めるわけにもいかず、俺は動くことが出来なかった。
「ならば、これならどうだ?」
1人のジジイの声が聞こえると白い光を放つ魔法が飛んできた。
『ナニッ!?』
その光は闇の王が纏っていた瘴気を消し去り、その姿を顕にした。
「「「…………は?」」」
瘴気の中に居たのは杖をついたよぼよぼのお爺ちゃんだった。
『わ、われこそが……闇の王である……』
急に威厳が無くなったな。そんなよぼよぼなお爺ちゃん相手じゃ攻撃しにくい…………
――――――こともないッ!!!
「【
『ギヤアアアアアアアアアアアアッ!!!』
見事に命中。新技だったけど、上手く決まってよかった。
『目が! メガァ!!』
「アラス! 私の全力が効いてないです!」
「そうか? めっちゃ効いてるように見えるが……もう一回やってみたら?」
うーん……魔力の無駄なような気がするな……
『――――っ!? そ、その程度でこのわれが貴様相手に屈っしると思うのか……はぁはぁ……』
……ん? 様子がおかしいぞ?
『はぁはぁ……聖女の面してなんて冷たい視線を……われ、あのような幼女になぶられるなど……興奮するなおいッ!!!』
「【
俺は軽く恐怖を覚え、コイツは今すぐにでもこの世から消し去らないといけないという使命感に駆られた。
『アーーーーーーッ!!!
キモティーーーーーッ!!!』
「アラス、なんですかあのヒトっ!? 魔法を受けてるのに喜んでるんですがッ!?」
「き、気のせい……じゃないか? とりあえずもう一回やってみろ」
「は、はい! 【
アラスの指示通り、俺はもう一度、魔法を撃ち放った。
『良い! これが良い! われはこの快感を求めていたのだ! あっ……イクッ……』
闇の王は俺の放った魔法を受け続け、綺麗さっぱり、この世から浄化された。
「「「「え?」」」」
そして、闇の王が立っていた場所には闇の王の白濁色の液体をモロに被った金髪紫眼の少女が座っていた。
「「「生ぐっさ……」」」
俺とアラスだけでなく、リアムすら同じ反応を示した。
「ティアのせいでしょ!!!?」
闇の王の白濁色液を被った薄汚い処女……間違えた。少女。
「ティア! 聞こえてるわよ!?」
……間違えただけだもん。ごめん。許してよティナ。
「まったく……! そこのアンタ! 私はアンタを許したわけじゃないんだからね!」
ティナ、お前……まさかツンデレへと進化したのか……!
「か、勘違いしないでよね! ……ってなにやらせてんのよッ!!」
「生臭いので近寄らないでください」
ティナが距離を縮めようとすると、それから離れようとする俺たち。
「その生臭い身体で俺のティアを汚すな!」
「アラス……!」
「あーはいはい、なんかもう萎えたわ……先帰っていいわよ」
「サンキュ! 【転移】! ティア、今夜は寝かさないぞ!」
「―――――っ!?」
俺とアラスはティナとリアムを残し、【転移】してフレイヤたちの元へと戻ったのだった。
「「うわぁ……最後の最後までイチャつきやがって……うざっ……!」」
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