第49話 金持ち特有のPrivate beach
あれから1週間が経ち、俺たちはエドワードの許可を貰い、別荘までやって来た。
「ティア、荷物はこちらに置いてください」
「はいっ、お母様」
なお、保護者付きである。
男女が1つ屋根の下で過ごすわけだし、わからなくはない。でも――――――
「エレノア! 早く海に行こうぜ!」
コイツ、海に来た瞬間に精神年齢が五歳児になったな。
「ティア、せっかく海に来たんだから、海に行こうぜ!」
「はいっ、そうですね」
◇◇◇
「「うおおおおおおおおおおおっ!!!
海だァァァァァァァァ!!!」」
海に目掛けて一直線に走り、そのまま海にダイブしたアホ二人。
準備体操してから入らないと後で死ぬぞ。
「ティア、準備体操したらアラスに水着似合ってるか聞いてみたら?」
クレアが何か言ってくるが、俺は首を傾げた。
何故わざわざ似合ってるか聞きに行く必要があるんだ? 別に水着なんて露出さえ隠せればなんでもよくね?
『……もし、フレイヤの水着がハイウエストビキニだったらどう思う?』
チラリとフレイヤの方を見てイメージしてみる。
…………うん、あり得ないな。ダサい。
『だから?』
はいっ、露出さえ隠せればなんでもいいとか言ってしまい、どうも申し訳ありませんでした。
『よろしい』
……それで、なんで水着なんて見せに行くんだ?
「女の子はみんな可愛いとか綺麗だとか言われたいものなんですよ。
それに、男の人から見てダサい服を着てると何かバカにされてるみたいでイヤじゃないですか」
そうなのか? まあ、フレイヤがそう言うのなら……
『フレイヤへの信頼度が高いっ!』
もう何年も一緒に過ごして来たんだし当たり前だろ?
『そ、それもそうね……』
それから準備体操を終え、アラスの元へと向かった。
「ティア、似合ってるぞ」
「~~~~~~~~っ!?!?」
頭をポフリと撫でられる。すると不意に恥ずかしくなり、フレイヤに抱きついた。
「ティアが感情的になるなんて珍しいな」
「そうなんですか?」
「ああ、ティアはエレノアに指導されてたからな。感情に左右されてるティアは滅多に見られないんだよ」
エドワードに解説されて余計に恥ずかしくなる。そんな俺の様子を見ていたフレイヤはクレアと共に優しく慰めてくれた。
「少し早かったですね……」
「アラスって意外と鈍いから、ティアの真意に気づかないでしょうね」
「これを見て政略結婚だなんて、アホらしいですよね」
「「はぁ…………」」
ため息を吐く二人に対して、俺はようやく納得のいく答えが導けた。
ああ、これ政略結婚だったのか! 確かにアラスはエドワードのお気に入りだもんな。こうなるのも必然か。
でも――――――
――――男とは結婚したくないんだが……
『今さらいったい何を言ってるのよ。黙ってイチャラブ生活でも送りなさいよ』
うん、絶対ムリ。
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