第45話 俺にとっては日常でも他人から見れば……
初仕事を終えてから五日が経った。
あの日以降、俺たちは一度、隣街まで歩いて【転移】出来るようにした。
そして、その【転移】を駆使して隣街のギルドを主な拠点として依頼をこなしている。
今日は川の上流に住んでいるという大きな魚を狩るために毎度お馴染みの【転移】で山まで瞬間移動をする予定。アラスも使えるおかげで消費魔力も半分だ。
『【転移】の汎用性、強すぎない?』
【転移】は『行ったことのある場所』もしくは『視界に入る場所』のどちらかを突破していれば特に制限はない。
だから山登りなんて秒速だ。
そんなわけで魚を狩って血抜きをしてる間は交代で遊ぼうということになり……
「ティア、こういうのはどう? これなら露出もそこまで気にならないでしょ?」
水着選びをしていた。
そんなアホな……
「これなら確かに大丈夫ですけど……」
俺が選んだのはフレアビキニと呼ばれるフリルの付いた貧乳にも優しい水着である。下にも短めのスカートにフリルがついている。
だが、俺はここまで露出の大きい服を着たことがなかった。いつもの露出度は顔と足の一部、それと手首から先ぐらいだ。
それなのに突然こんな露出の大きい服を着ろと言われても抵抗がある。
「ティア、このままではアラスを他に取られてしまいますよ?」
「うんうん」
ん? コイツらはいったい何を言ってる?
『もう認めたら? 何回同じ下りをやるつもりなのよ』
……仕方ない。こうなったら真っ正面から言ってやる。
「はい? それがどうかしましたか?」
「……え? 未来の旦那さんが不倫するんだよ? いいの?」
「私がいつアラスが好きだなんて言ったのですか?」
クレアとフレイヤは腕を組んで、今まで俺がしていた行動を思い出していた。
そして、二人が導いた結論とは―――――
「「『好きとは言ってないけど、態度には出てる』」」
何故かティナにまで便乗された……
というか俺ってそんな風に思われるような態度、取ってたか?
『毎日一緒に食事をし、戦闘中には手を繋ぎ、現在同棲中。たまにデート』
デートじゃなくて買い出しな? あと同棲と食事はフレイヤもクレアも一緒だろ。それに戦闘中に手を繋いだのだって魔力供給だから仕方なくやっただけだし……
『魔力供給なら他の人も居たのだから全員ですればよかったのに、ティア1人しか呼ばれなかった。この意味がおわかりで?』
ごめん。全然わからん。あの中で魔力が一番多いのは俺だし、他のヤツらは戦ってたから手が空いてるのは俺だけだったし……
『……じゃあなんで家で過ごしてる時に毎回アラスの横で無防備に寝てるのよ』
いや、あそこは俺の特等席であって、アラスがそこに割り込んできただけだから。
『全くこれだから元男ってのは………………あーあ、この二人とコンタクトが取りたい』
取れたら俺の心の声が筒抜けになるからヤメロ。二人ともショックを受けて倒れるぞ。
『自分で言うのね……』
「ティアが昼寝のフリしてる時とかまたイチャイチャしてるなーって思うんだよね」
「そうですね。『自分は聖女だから表立ってイチャイチャするのが恥ずかしい。でもアラスとイチャイチャしたい! そうだ。寝たフリをしてイチャイチャしよう!』っていうのが丸見えですよね」
「そうだよね!」
いやっ、マジで寝てるからそんなことないんだが……
「とにかく、ティアはこれを気にアプローチを仕掛けてみるべきです」
「そうよ! そうじゃないといつまで経っても進展しないわよっ!
女らしくドンっとやっちゃいなさいよ!」
「えぇー…………」
――――――――――――――――――――
【らくがき】
2020年6月15日 なんと素晴らしいことに【ついったー】のトレンド1位に『TS百合』が載りました!!!
これは知らず知らずのうちに世界の人々がTSを認知していたという証拠です!
(※実際はジャ○プの漫画家の影響)
この調子で世界にTSを布教するため、今後も草場の陰から連載を続けていきたいと思いますので、応援よろしくお願い致します!
これを何処かに書きたかったけど、書くような場所もなかったので、「ここでいいや」というノリと勢いで書きました(笑)
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