第42話 大人と子供では桁違い
俺はフレイヤと下着屋に来て、前世では拝めなかった様々な下着を目の当たりにした。
『へぇ、下着屋ってこんな感じなんだ。随分面積の少ないパンツがあるのね』
そうか? 別に見馴れたいつものヤツだと思うが……
『え? アンタ露出狂じゃないの? 下着と言えばドロワーズでしょ?』
……ああ、お前王族だったな。生きる世界が違ったか。
『アンタも王城で暮らしてたんだから同じよ』
そういえばそうだったな。昔過ぎて忘れてた。
あの頃はメイドもドロワーズでつまらなかっ……ごほんっ! ごほんっ!
『聞こえてたわよ。メイドがなんだって?』
い、いやっ、気にするな。なんでもない。
「ティア、こちらに来てください。サイズを測りますよ」
「はいっ!」
というわけでティナ。またあとでなッ!!
『あっ、ちょっ!? 逃げるなッ!』
「フレイヤ、これ持っててください」
「わかりました」
ティナをフレイヤに預けて俺は店員さんと共に試着室に入った。
これでティナの声が聴こえなくなるというわけではないが、こちらの様子が分からなければ話すようなこともないというわけだ。
「では失礼しますね」
「ふぇっ!?」
突然店員さんが俺の服を捲り、手を入れてきた。
そして瞬く間にメジャーで測られ、店員さんは試着室を出るとフレイヤにサイズを伝えてた。
――――何cmかは聞こえなかったけど、AAAだって。
『まあ、まだ子供だからね。
……それにしてもフレイヤさんの胸、大きいわよね』
ああ、そうだな。一体どんな生活を送ったらあそこまで大きくなるのか気になる。
『サイズ……いくつなんだろうね?』
測るか。
「フレイヤ、フレイヤはサイズいくつですか?」
「ティア、女性にそういうのを聞くのは大変失礼で――――」
「隙ありッ!」
先ほど店員さんからこっそり奪ったメジャーでフレイヤのトップとアンダーを測った。
「えっと……たしか計算は引き算だから? ……あれ? F?」
「『っ!?』」
俺の声が店内に響くとガラスの割れるような音が聞こえたのと同時に、先ほど俺のサイズを測り、俺に合う下着を探している店員さんと俺の刀が真っ白に染まった。
『燃え尽きた……なにもかも……』
なんだコイツ。遺影の写真なら見たことあるが、それなりに美少女だったじゃん。
……フレイヤには負けるけど。
『やめてッ! 私が唯一この娘に勝ってると思ってたバストで勝てなかったのよ!? もう私の存在意義はないわッ!』
国王殺さなくて良いのかよ……
『いや、それはそれだから』
何なんだよ。
「こ、こちらなんて
流れを変えるために踏み切った店員さんが持ってきたのは白い『スポーツブラ』と呼ばれるものだった。
「そうですね。地味で目立たないですし、これにしましょう。フレイヤ、お願いします」
「はい」
フレイヤは店員さんが渡したモノと同じヤツをいくつか手にとって会計をしていた。
このとき俺は知らなかった――――――
まさかあの中に1つだけピンク色でフリルのついたとても可愛らしいキャミソールが混ざっていようとは…………
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