第29話 これが聖女のスイカ割り!


【まえがき】


 今回、残酷な描写が入ります。


 この回は

「異国の聖女をボコボコにし、記憶を消した後、首輪をつけて自国へと返した」


 ということだけ把握して戴ければ、読み飛ばして戴いて構いません。


 また、第30話も同時投稿してますので、今後も「TS聖女のかくめい的ふくしゅうたん!」を読んで戴けると嬉しいです。



――――――――――――――――――――





 青い空! 眩しい太陽!

 そして――――――――





 ――――地面に埋まった少女と片手に鉄パイプを握りしめた俺!



 うん! 完璧! 素晴らしい! パーフェクトだっ!



「ちょっと! これ何なのよ!? 外しなさいよ!」

「無駄ですよ。それは知人から戴いた【魔封じの首輪】です。あなたはこれから…………





 ――――私に遊ばれるのですよ♡」



 両手で握りしめた鉄パイプを少女に振りかざす。


「きゃっ!?」

「あっ、外してしまいましたね。今度こそ」


 少女の真横に落ちた鉄パイプを再び振り上げて――――――


「ちょっとやめな――キャアッ!?」


 おろす。


「知ってますか? 大昔、この世界を救った異世界から来た勇者はいくつかの『遊び』を残してくれたのです。これはそのうちの1つです」

「ま、まさか……」


 少女は顔を真っ青に染め、土に埋められて動かない身体をプルプルと振るわせ俺のことを見てくる。

 そんな彼女に俺は笑顔を返して、その名を告げる――――――



「スイカ割りです♡」



 俺は少女の顔にタオルを結び、目隠しをさせた。


「逆でしょ!? 私じゃなくてアンタが目隠しをヒッ!」

「あらあら、不思議ですね。また外れてしまいました♡」

「絶対わざとでしょッ!!!」


 はて、ちょっと何を言ってるのかわかりませんね。わざと? そんなこと、この私がするわけないじゃないですか♡


「全く……

   ゴミを叩きつけるのは最高だぜッ!」


 少女の顔面にギリギリ当たらない場所へ再度鉄パイプを叩きつける。


『心の声が入れ替わってるよ!!?』


 おっと、間違えちまったな。コイツに本性が知られてしまった。口封じをしないとな?


 俺は鉄パイプを投げ捨て、に使用する五本の杭を取り出した。


『ここまで来ると清々しいわね。本当に聖女? 悪魔の間違えじゃないの?』


 ん? これほど聖女っぽい服装をしたヤツが何処にいるんだよ。それに今回はコイツが悪かっただけだし。怒って当然だろ?


『限度が過ぎてるのよ……』


 自分で言うのもアレだが、俺は寛大な人間だぞ。現にティナが俺の魔力を勝手に喰ってる訳だが、俺はそれを許してるしな。


 例えるなら植物と寄生虫だぞ。どうだ? 俺の寛大さがよくわかるだろ?


『私は寄生虫かッ!? いやっ、まあ、寄生してるけど……』


 ティナと話してるうちに、残された杭もあと一本だ。


「よいしょ」


 少女の周りに五本の杭を打ち付け、魔力を流す。

 すると小規模な結界が展開された。

 俺は一呼吸おいて、詠唱をする。




「汝、我の奴隷とならんとす」


「ちょっとなんて詠唱してんのよッ!?」




 少女の首元に1つの首輪が生成された。

 これで名前も知らない少女は俺の奴隷となった。


「命令です。私についての記憶を全て忘れ、自国へと帰りなさい」


 今回は簡易型の隷属契約なので、命令1つで契約が解除されてしまうのだ。

 個人的には生温い気がするが、初犯だし、充分楽しめたから特別に許してやるとするか。

 



「さて、今日は先生たちを連れて家でバーベキューにしましょう!」





 


――――――――――――――――――――

【あとがき】


 これ以上に重いものを今後は書きませんので、今後も楽しんで読んでくださると嬉しいです。


 また、冒頭でもお話しましたが、第30話を同時投稿しております。


 今後も

「TS聖女のかくめい的ふくしゅうたん!」をよろしくお願い致します。






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