第18話 境界のサクラ
俺が瘴気に対応することをエレノアに伝えてみるとあっさり許可が降りた。むしろやって来いと言わんばかりの顔だった。
「俺も付き合うぞ。瘴気には耐性があるっぽいしな」
「そうなんですか? 魔物も多いでしょうし、お願いさせて戴きますね」
「おう、どんと任せておけ!」
俺は青年と共に『瘴気の森』へと向かうのだが、街の城壁から出た瞬間に大量の瘴気が溢れ出ていた。
出発する前に具体的にどうすれば良いのかを知らないので瘴気について詳しく調べて来た。
すると闇属性を持っている人は『瘴気』の影響を受けないということが判明した。理由は不明だが、一部の学会では『瘴気』の魔力もまた闇属性だからなのではないか? という議論が行われてるらしい。
まあ、それは置いておくとして、重要なのは『瘴気』を消す方法だ。
瘴気を消すには瘴気の発生源があるので、それを光魔法か聖魔法で浄化する必要があるようだ。
というわけで俺と青年は瘴気の根源へと向かう。
「【
「【
途中、魔物と遭遇したので見つかる前に奇襲で潰した。
連携プレイは初めてだと言うのに何故か相性がよかった。
「ティアは魔力を温存しておけ。あとで大量に使うかもしれないからな」
「ありがとうございます」
それから少し進む度に魔物と遭遇し、その都度青年が魔法を使って倒して行く。
だが、置くに進むにつれて魔物が少しずつ強くなってきているような気がしたのだ。
「クソゲー過ぎんだろッ! 【
青年の戦っている姿を見ながら、俺はいくつもの壁を感じた。
今まで比べる対象がエレノアとフレイヤぐらいしか居なかったので何とも思わなかったのだが、あれこそが【才能】というヤツなのだろう。
そして――――――
「アレじゃないのか?」
青年が指を差したその先を覗くと大量の瘴気を放つモノがそこにはあった。
そこには魔力が集合し過ぎて紫色の霧が発生しており、何が瘴気を放っているのかが見えなかった。
「……行ってきます。あそこは危ないですので、あなたはここで待っていてください。何かあった時は呼びますので」
「……ああ、わかった。必ず戻って来いよ」
「はいっ、必ず」
青年と拳を交わし、俺は光魔法を使い、なるべく瘴気を避けながら前へと進む。
「……あれ?」
突然、瘴気が開けて視界が安定した。まるで先ほどの瘴気がウソかと思うぐらいにまで瘴気が消えていた。
「ーーっ!? そんな……どうして……」
視界が開けたその先にあるものを見て俺は驚愕した。
何故なら、そこには俺が前世と今世で何度も見てきたサクラの木と少女の持っていた刀があったからだ―――――――
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