第13話 学園生活の始まり
おはよう諸君! 今日はいい天気だな!
爽やかに吹く風、外から聴こえてくる小鳥の囀ずり。
そして崩壊した学園長室!
まさに掃除日和だ! ハハッ! ……誰だよ。学園長室破壊したバカは。
俺が悪いと思うじゃん? 実は違うんだよ。
フレイヤに聞いた話だと、昨日の呼び出しは俺に回復魔法を使わせるための医療設備を用意したから自由に使えという話だったらしい。
そして、話を終えた学園長が俺の【岩弾丸】を処理するために【
つまり、学園長の魔法が学園長室を吹き飛ばしたのだ。
あのクソジジイ、なんて余計なことをしてくれたんだ。これでも俺は聖女だから猫かぶり必須なんだよ。
これ以上俺の仕事を増やすんじゃねーよ。
「……疲れましたね」
この手はあまり使いたくないのだが……まあ、この際だ。仕方ない。使ってしまおう。
「【
これは俺が考えた闇属性の魔法だ。とても小さな丸い玉だが、無限に収容可能で収容したものを全て俺の魔力へと変換する。
欠点は収容したものが二度と帰って来ないことと、玉よりも大きいものを収容できないことだ。
それでも瓦礫とかは収容出来るので、俺は【
そして、僅か三分足らずで学園長室にあった全てのものが消滅した。
余計なことをしてしまったのではないかと思うが、あのクソジジイ嫌いだし、何かあったらいい気味だと嘲笑ってやろう。
◇◇◇
「初めまして、ティア・ブリュンヒルデと申します。まだ9歳ですが、遅れは取りませんので、よろしくお願い致します」
俺はこれから1年間、共に過ごす仲間たちに自己紹介をする。
冒険者学園は最低9歳からで上限はない。だが、実際には14歳~18歳ぐらいしか居ない。19歳ぐらいになれば大半は職を得ている。今さら収入が不安定な冒険者を選ぶ必要はない。逆に13歳以下だと成長期がどうだかで、家族からの許しが出ないらしい。
その結果、14歳~18歳の生徒しか居ないのだ。
ちなみにクラスは男子21人、女子12人の合計33人。ちょうど4人グループを8つ作って、俺を治療係りに回せる人数だ。
自己紹介を終えると一番後ろの窓側の席に座り、隣に座るクレアに軽い会釈をする。
「じゃあ早速だが、授業に入るぞ」
授業は大きく分けて二種類ある。
1つ目は実技。言わずもがなという感じではあるが、運動着に着替えて体力を着けたり、それぞれの戦い方に添った訓練、仲間との連携をできるようにする団体の模擬戦などがある。
そして、もう1つは座学だ。報酬の計算や食べられる植物、実技で使える技などの勉強を行うのだが……
「お前ら寝るなッ!」
基本的に勉強が出来なくて戦うことしか頭にないようなヤツしか冒険者にならない。マトモな冒険者なんて、採取クエストを副業に充ててるヤツか、余程正義感の強いヤツぐらいだ。他は戦うことだけに全てを見出だせる戦闘民族だ。
こんなヤツらの相手をしてるなんて、冒険者ギルドも大変そうだな。
「ティア様を見習え! 今もしっかりと授業を聞いてるだろッ!」
この程度の知識なら前世でも習ったし、植物に関してはフレイヤが一から全て教えてくれた。
今さら何かを習うなんてことはない。
だから――――――――
申し訳ありませんでした。微塵も聞いてませんでした。許してください。
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