第一章 三話

 外に出た三人はどこに行くかも決めずにぶらぶらと薄暗い裏路地を歩いていた。

 三人ともこの付近の下層区画の大小の道は全て知り尽くしていて、どこに行くにもこの裏路地を使ってかなりの近道が出来る程であった。


 三人はその時ちょうど商店街の裏手に行き当たったので、シーメルの食堂に寄って美味しかったですと声をかける事にした。


 店の裏側の通用口で三人の少年に声をかけられたシーメルは嬉しそうに近寄ってきて、三人の頭を順にくしゃくしゃと撫でてあげた。


 彼らはまたあてもなく歩き出した。

 今度は人が一人通れるかどうかという幅の、都市建造物の間に出来た極狭の路地をうねうねと進んでいく。


 今日はとても良く晴れていて、雲一つ無い真っ青な空が、頭上の建物の間から直線的に覗いていた。

 そのせいかいつもの薄暗い路地も明るく見えて、所々に地面を舞う埃の煌めきが見える事もあった。


 こんな良い天気なのだが、ミルト達と同年代の他の子ども達の姿は街なかではほとんど見かけなかった。今日は学校がある日なので、子ども達はみな学校に行っているのだ。


 実はミルト達もそろそろ行かねばならない年齢なのだが、勉強嫌いのトーマがずっと先延ばしにしていて、何となくうやむやになっているのだった。


 三人で今日は街なかで子ども達を見ないなと話していると、キルチェが急に真面目な事を言い出してきた。

「今日は僕たちも勉強をしましょうか。たまにはよいでしょ?」


「ええっ!?やだよ、違うことしようぜ」案の定トーマは反対してきた。


「んー、うん。僕は賛成。じゃあ今日はポム爺さんのとこに行こうよ」ミルトはキルチェの意見を支持した。


 これでもう話は決まった。


 彼ら三人はいつも多数決で決めていて、それで決まった結論は絶対で守らなくてはならないものだった。


 しかし今日のトーマは珍しく雄弁に、この最高の天気の下で遊ぶ事の素晴らしさを二人に力説し始めた。


 だがどんなに雄弁に語っても二人にはまるで聞き入れてもらえなかった。

 トーマはしつこく粘っていたが、ついに諦めてしぶしぶと重い足取りで二人の後についていくことになった。



 ポムは街外れの深い森の中の一軒家に住んでいるので、ミルト達の生活域からだとなかなかに遠い場所だった。


 中央大通りを街の外に繋がる大手門の方に向かうと大手門大広場に行き着き、その広場を左に曲がって歩くと次第に家がまばらになる。そして小川を二つ越える頃には道は更に狭くなっていき、木々も増えてだいぶ森らしくなり始めるのだった。

 この深い森がポムの住む森である。


 ミルト達はその森の入り口から中に入っていった。

 木漏れ日がきらめき澄んだ風が心地よい森の小道を歩く。

 

 鳥の羽ばたきの音や、野ねずみが起こす下生えの草が奏でる音が、森のあちこちから聞こえてくる。何故かこの森は小さな動物たちがとても多いのだった。


 ミルト達はその音の主をきょろきょろと探しながら歩いていた。


 次第に道はなだらかな上り坂になり小高い丘へと続いていて、その丘の頂上にポムの家はあった。


 ポムの家は太い丸太を積み重ねた構造の、古い物語の中で見るようなお洒落な外見をしていた。


 家の前の庭は綺麗に一面緑の芝がひかれ、その中を赤い煉瓦の道が玄関前の階段まで続いている。そしてその庭の周りや家の前には花壇があり色とりどりの花を咲かせていた。 


 三人は家の前の木板の階段を登り、玄関の扉をこんこんと叩いた。


 しかし、しばらく何の返事もないので、皆で玄関の脇のうっすら開いている窓から家の中を覗き込んでみた。


 部屋の中は少し薄暗く、洋灯が一つ大きな食卓の上の梁にぶら下がって点いているだけで人影はどこにもない。その部屋の奥の壁際には大きな本棚がいくつもあり、立派な装丁の沢山の書物が隙間無く並んでいるのが見える。


 その本棚の脇の隣の部屋に通じる扉が少し動いた気がしたので、子ども達はまた声をかけてみる事にした。


 トーマが代表して今度は窓の隙間から家の中に声をかけてみた。

 すると今度はすぐに不機嫌そうな野太い声が返ってきた。

「今は忙しいんじゃ」かなり素っ気ない声であった。


 三人は急いですいませんと中に向かって謝ると、もう今回は諦めて来た道を戻ろうとした。

 すると今度は家の中でどたどた走ってくる音が聞こえてきて、勢いよく玄関の扉が開いたのだった。


 そこには体格の良い老人がすまなそうな顔をして立っていた。片手に白煙をあげる煙管を持ち、もう一方の手で豊かな顎髭を触りながら、本来の厳しそうな顔を崩して、優しい目で少年達を見つめていた。


「いや~、すまんすまん。お主らとは思わんかった。さあお入り。よく来た。まあ、茶でも飲むかの」さっきとは打って変わって明るく優しい声だった。


「うん!ポム爺さん」

 三人は元気に返事をすると家の中に入れてもらった。


 ポムは窓の鎧戸を全部開け放ち居間に日の光を入れ、少年達を椅子に座らせるとお茶の支度をしに台所に行った。そしてポムは人数分の湯飲みと大きな急須をお盆に乗せて戻って来ると、先程の弁解を始めてきた。

「いや、さっきは済まなかったの。今日は久し振りに来客が続いたと思ったらどうにも気分の悪い客ばかりでな。初めに来たのはいつものしつこい城への招請でのう、まあそれは良いのじゃが、次に来たのは王立学校の富裕階層学級の教師で、そやつは儂に魔法の授業をしに来て欲しいと頼みにきたのじゃ。儂は一線をすでに退いた身ゆえに、丁重に断ったのだがしつこくての。金貨をこれ見よがしに見せるは、生徒を隠して連れてきてお願いさせるはで、色々策を弄する奴でな。儂が子どもには弱いと踏みおってからに……」


 ポムは長いことぶつくさ文句を言うと手際よくお茶の準備を終えた。少年達には紅い葉を煮詰めた甘いお茶を出し、自分には黒い豆を煎じた香りの良い苦いお茶を淹れた。


 三人は行儀良くお茶を飲みながらポムの話を聞いた。ポムの話は彼らには難解な言い回しや分からない言葉が多かったが、ポムの語る口調や雰囲気が好きだったのでおとなしく聞いていた。


 ポムが美味しそうにお茶をすすりつつ少年達に尋ねてきた。

「さて、今日はどうするかの」ポムは三人を順番に見回した。


 キルチェが一番早く手を挙げて返事をした。

「はいっ、僕は字を習いたいです」


 ポムはほうと小さく頷き他の二人も見た。


「じゃあ俺もそれで」トーマは右習え的に言って、ミルトもそれに賛成した。


 ポムはふむと考えながら立ち上がると奥の本棚の前に行き、その中から一冊の本を選び出した。そして彼らのところへ戻って来ると、その本を彼らの前に置いた。


 深緑色の背表紙のその本の題名は〈四精の理の童歌〉と書かれてあり、ポムがその本を適当に開いてその中の一節の題名を〈水色の詩〉と読み上げた。

 ミルトは一瞬どきっとしていた。水色と聞いて昨日の少女を思い出したからである。


 ポムはゆっくりと本の一節を読み上げていく。 



 水色の精の詩


 沙那は自由気ままな水の精

 今日はいつもの水の中

 皆と一緒に舞い踊る

 沙那と仲間は手を繋ぎ

 水の世界を流れ行く

 またいつか同じ場所で会いましょう


 沙那は寂しがり屋な水の精

 今夜はかなり寒い夜

 皆は自然と身を寄せる

 沙那と仲間は抱き合うと

 水の世界は凍り付く

 また今度暖かくなったら遊びましょう


 沙那は健気で凜々しい水の精

 今朝はほんとに暖かい

 皆が元気に動き出す

 沙那と仲間は手を離し

 水の世界と離れ行く

 また明日涼しくなったら帰りましょう



 ポムはまず自分で何度か読んで聞かせて、その後に少年達に読ませることにした。いつの間に用意したのか、その水色の詩の文章が書かれた紙が彼らの前に配られていて、少年達はそれを目の前に掲げると大きな声で読み上げ始めた。


 ポムは難しい言葉や言い回しは何度も根気良く教えていった。読み上げから書き取りまで一通り終え復習を始めた頃、ミルトはどうしても気になっていた事を質問した。

「ねえ、ポム爺さん。この詩ってなんか意味があるのでしょう?」


 ポムはほうと感心したような目つきでミルトを見た。

「うむ。この詩はのう、実は水というものがどのような性質を持っているかを教えてくれているのじゃ。まず水というものは、小さな小さな目に見えない程小さな水の粒子がたくさん集まって手を繋ぐ事によりやっと見える様になるものであると覚えておくのじゃよ。まず、普通の状態の水の集合体は自由に動けるものなのじゃ。川の水を思い浮かべると水は流れていて汲むことも出来よう。まあ液体である水は見慣れている分、特に不思議はないじゃろうな」


 ポムは言葉を一度切ってからまた続けた。


「ところが水というものは温度が変化すると自らの性質の変化を起こすのじゃ。まず、温度が急激に下がると水はどうなるか。例えば冬の季節になると水は凍って氷になるのは知っておろう。寒くて水達が身を寄せ合って震えているのが氷なのじゃ。ほれ、三人でも身を寄せ合っていると動きにくいじゃろう。水達は寒くて我慢出来なくなると皆で集まって固まってしまうのじゃ。それが水の固体である氷じゃ。では次に、今度は温度が急激に上がったらどうなるかだが。そもそも水達は一人一人ではとても小さく軽いから手を離すと宙に飛び出してしまうのじゃよ。特に温度が上がってくると皆が激しく動き出して手を繋いでいられなくなりどんどん宙に舞っていくのじゃ。例えるなら、それが火にかけた鍋が沸騰する光景じゃな。そのままにしておくと水が減っていくのが分かるじゃろう。それが液体である水が気体の水蒸気と言うものに変化していく様子じゃ。その飛び出した水がまた目に見えるものになるには少し集まらねばならぬが、それの近いところでは湯気があるな。遠いところでは雲がそうじゃ。ん?そうじゃ、湯気や雲の正体は実は水なのじゃよ。と言う訳でな、水というものは三つの性質を持つ不思議な物質だと言う事を憶えておくのじゃよ」


 少年達は質問を交えながらなんとか理解した。


 しかしミルトは水の元素の事が分かると他の元素はどうなんだろうと考え始めた。


 自分の慣れ親しんでいるあの〈風〉はどうなんだろう、それに〈地〉は目に見えるが、やはりどちらも小さなものの集まりなのだろうか。


 ミルトはポムにその事を尋ねると、嬉しそうな目で頷き話し始めた。

「うむ、そうじゃよ。全ての物質は小さなものの集合体であると考えられておる。物質を構成する四元素論でもそれは当てはまり〈風〉も目に見えない小さな風の集まりで出来ている。そして風と言うものはは気まぐれで独りを好み、皆の動きがとても素早いために仲間と手を繋ぐことが出来ないので、実際に目に見える液体や固体の形には決してならないのじゃ。では次は〈地〉じゃな。これも勿論同じく小さな地の集まりによって出来ている。そうじゃな、考え方としては砂岩とかの構成要素を見れば一目瞭然じゃな。あれは無数の小さな砂が固まる事で石になっておる。お主達なら泥団子の構造を考えたら分かり易かろう。とにかく地というものは風とは全く逆で、とても寂しがり屋でいつも仲間とがっしり肩を組んでいるような感じで、そして動くのが大嫌いなのでずっと同じ場所にいようとするのじゃよ。だから石や岩は存在しているのが分かるし全く動かないじゃろう」


 ポムは出来るだけ簡単な言葉で教えていった。


 ミルトも何となくの部分もあるが取りあえず理解出来た。しかしまだ質問をしていない残るもう一つの元素である〈火〉は全くと言っても良いほど分からなかった。普通の自然にはないように思えるし、火を点ければそこに存在するのは光りとして見えるし熱も感じるが、消してしまうとその場から一瞬で消えてしまうなど、考えれば考えるほど不思議な存在だった。


 ミルトはポムに火について思いついた事を話した。ポムはそれを聞き目を細めよしよしと頷くと話し始めた。

「そうじゃの、確かに〈火〉は実体としては、かなりあやふやな面もある不思議な物質じゃ。普通の自然界を見る限りでは火が世界を構成している一因だと気づきにくくそして分かりにくいものなのは確かじゃな。では、まず自然界で考えてみようかの。そこの裏庭にある小川の風景を思い描いてみよ。小川の水の音が聞こえ、その土手には草木が生え色鮮やかな花が咲いている。そこには蝶が舞い、風がふき花達を揺らしている。どうじゃ?水や地や風は分かるが火はないように思うじゃろう。しかしな、そこには無数の火の力が存在しているのじゃよ。分からぬかな?その風景はどんなじゃ。真っ暗かな?そうではなかろう。お日様の光りがそれら全てを照らしているだろう。お日様の光りは火なのじゃ。そもそもお日様というものは火の力が大量に集まったものなのじゃ。ほれ、そこの洋灯に火を灯すと部屋が明るくなるじゃろう。この世界が明るいのは火の力のおかげなのじゃ」


 ポムは皆がきちんと話しについてきているかを確認しながら続けた。


「まだあるぞよ。思い浮かべた風景はとても寒々しい感じかな。とても生き物が生きていけないような。そうではないな。暖かくぽかぽかしているであろう。そう、それも火の力のおかげじゃ。火は全てを暖めてくれる。暖炉に火をくべると部屋が暖かくなるじゃろう。もし火が世界を暖めてくれなんだらこの世は全て氷の世界になるじゃろうな」


 ポムはお茶で喉を潤してからまた続けた。


「最後にもっと重要な火の力の役割がある。火としては見えずにしかも感じられないので、かなり分かり難いものなのだがな。先程思い浮かべた風景に生き物がいたであろう。実はそこに火が存在しているのだ。蝶だけではない草木や花達も生きていて、生き物は皆〈命の火〉というものを持っているのじゃよ。人や鳥や獣はもちろん、生命をもつものは皆身体の中に火を宿しているのじゃよ。分かり難いかの?そうじゃな、ミルトお主の体は冷たいか?そうじゃなかろう、温かいな。それはお主の身体の火の力のおかげなのだ。ん?魚や草木は温かくはないと?…ふむ、難しい事柄に話がいってしまうのじゃが、生き物というものは食べ物を食べないと生きてはいけん。分かるな、お主達も麺麭を食べ煮汁を飲むじゃろう。魚も水草や虫を食べる、草木も根から水や栄養素を吸収する、そうして体内に取り入れたものを命の火で燃やして活力源にするのじゃ。これらの事を内燃機関の理というのだが、…ああまあよい。これでは生物理学になってしまうしの。それに〈生命の点火〉という話になると生命創製神話にも話が広がってしまうしの。まだお主達には難しいのじゃ。とにかく火というものは自然界の至る所にも存在していると覚えておけば良い」


 ポムは長い話を終えると煙管を取り出して枯れ草を詰め始めた。そして指を鳴らして指先に火を熾すと、煙管に火を点けて深々と煙を吸い込みぷかーとはいた。少年達にはただ煙たいだけだがポムはうまそうに煙をはいていた。  


 トーマとキルチェはぷかぷか浮かぶ円形の煙を見て、ポムと煙管の事でおしゃべりしていたが、ミルトは違うことを考えていた。


 ミルトはポムの話を聞いて火の精霊の存在というのを次第に感じ始めていたのだ。


 ミルトは今まで風の精霊だけは簡単に感じる事が出来ていた。それは風が一番身近で感覚的に分かり易かったからだ。風が吹けば体の周りを流れる風を肌で感じる事が出来て、その事で風を司る精霊が周りにいるのだと、超感覚的に認識することができたのである。


 精霊術の基礎として、いわゆる精霊がただ存在するという知識ではなく、超感覚的な部分でその存在を本質的な認識をする事で、精霊達は術者の意志に反応してその力を貸してくれるようになるのである。


 ミルトは今ポムが教えてくれたように、火が至る所に存在するならば自分も風と同様に火が操れないかと考え始めていた。


 火のないところに火を熾す、そう考えただけでもわくわくしてきた。


 ミルトが心の中でそんなことを考えていると、ポムが心を見透かしたかのように小さな紙片の載った灰皿をミルトの方に押しやってくれた。

「やってみるかの?この灰皿の中の紙なら燃やしても良いぞ」


 ポムはそう言うと興味深い目つきでミルトを見た。他の二人も黙って成り行きを見守っている。


 ミルトは決意のこもった目でポムを見て頷き、視線を灰皿の方に移すと意志を紙に向けた。


 ―火の精霊達よ。燃やせ。火を点けろ。あの紙を焦がせ―


 しばらくの間じっと紙を睨みつけていたが何も起きなかった。煙が立つどころかぴくりとも動かなかった。


 ミルトは集中を解きポムにすまなそうな顔を向けた。


 ポムは落ち込んでいるミルトに励ますように微笑むと助言を与えた。

「ミルトよ。火というものはとても扱いが難しいものでな、訓練も無しにいきなり遠く離れたものを燃やすのは無理じゃよ。まず始めは火種として自分の身体の火を使うのじゃ。身体に宿る命の火の力をな。そうじゃな、やり方としては自分の中に広がる無数の火を一点に凝縮させるような感じじゃ。初めは指先にその力を集めてから、火を点けたい対象に触りながら願うと良い」


 ミルトはポムの言うとおりに右手の人差し指を一本出し、目の前に掲げると身体の火の力をそこに集めるような想像をした。例えるならば、全身の血の気を引かし指先だけ脈を打たせるような、または体の体温を下げてその分を全て指先の一点に持ってくるような感じだ。


 じっと意識を集中して指先を睨んでいると、次第に人差し指の先がぴりぴり痺れるような感じがしてきたので、その指先を灰皿の紙の方に伸ばした。


 ミルトは指が紙に触れる瞬間、紙片が燃える光景を強く思い描きながら言葉にして言った。


 ―火の精霊達よ!この紙を燃やしてくれっ!―


 すると指先から小さな火花が走り、紙に飛び散るとその紙が一気に燃え上がった。そして、その炎は明るい赤い光りを輝かせるとすぐに消え去りその紙を一瞬で灰にしたのであった。


 ミルトはびっくりして炎に包まれた指をすぐに引っ込めた。自分の指がどうなったか間近で調べたが、特に火傷もしてなくてほっと安心する事が出来た。


 ポムはほうと感嘆したような声をたてミルトを見つめてから、改めて褒めだした。いつも冷静沈着なポムも今は少しばかり興奮しているようだった。


 トーマとキルチェも初めは驚きであんぐりと口を開けていたが、はっと我に返ると大きな拍手と歓声でミルトを褒め称えたのであった。

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