第2話それから年月が経ち…

8年後、その頃の僕はというと…

「おいしょ!おいしょ!」

 畑仕事をしていた。まぁ、これには理由があって…それは、今から3か月前の事…

「『魔法の才』があるからって体を鍛えるのを怠ると、死ぬからな!……サボりたいし…」

ボソリと言った言葉は忘れて…そういう父の助言があったからである。きっと、父は僕の事を心配して畑仕事やらしてるんだよね!……多分…

そんなこんなで畑仕事をしている。もちろんの事だが、スキルや魔法の特訓も毎日怠ってはいない。特訓するのは、畑仕事をした後に裏山でやっている。

 「(『黒炎』)」

詠唱無しで魔法を発動させると、目の前に魔法陣が出てきて、そこから黒い炎が出てきた。

「ふむ、最上級炎魔法もだいぶ慣れてきたな、そろそろ滅殺魔法も試したいけど、流石に此処で発動するとここら一帯が吹っ飛ぶからな、やめておこう、スキル『ロブ』も練習したいが、ここら辺って僕が『黒炎』を放ったせいであまり動物がいない為練習ができないんだよなー」

魔法にはそれぞれでランク付けされていて、1番弱いランクから言うと、生活魔法、下級魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法、滅殺魔法の計5個だ。僕が今発動した、『黒炎』は、最上級魔法とランク付けされていて、下級の魔物は一発で即死、Sランクのドラゴンくらいだったら、頑張ったら倒せるくらいの威力がある。

『ロブ』の使い方は世間では財布とか武器を取るとか言ってたけど、『ロブ』ってもしかしたら相手の心臓とかの臓器も奪えるのでは?という考えがあったので実際5歳の時に猪に使ったらあら不思議、手元に猪の心臓がありました。という感じで取っていったが、『ロブ』を使う際、時間が5秒もかかる事が分かり、後は、練習あるのみ!ということでいまでは500体くらいの野生動物の心臓を取ったり、木の裏に石を置いてそれを『ロブ』を使って奪うという練習をした。今では1秒で奪えるようになった。今の目標にしては0.5秒にしている。

そんな感じで考えていると…

「何ボソボソ話しているの?カリシア君」

こういう風に独り言に入ってきたのは、僕の姉のカイナだった。

「何って言われても、魔法とスキルの練習をしていたんだよ、姉さん」

「やっぱり、カリシア君は魔法の天才よ!」

とはしゃいでいた。

「そういえば、なんで姉さんは裏山にいるの?」

「夜ご飯に使うキノコを取りに来たのよ」

「もう取り終えた?終わったんなら一緒に帰ろう?」

「もう取り終えたわ。一緒に帰りましょ」

と返事をされたので姉さんと一緒に裏山を降りた。

ーーーーー

 それからまた7年後…

 僕は無事15歳となった。僕たちが住んでる国のサラバラ王国は15歳から学校に行く事が義務付けられていて、入学する前にランク付けをする為、試験がある。

 そして、試験当日。

「行ってきます!母さん!父さん!」

「いってらっしゃい!とりあえず、王都に着いたら、カイナに会うのよ!」

「いってらっしゃい!王都には可愛い子がいっぱいいるぞ!」

と母と父から激励(?)を受け、馬車に乗った。

 それから約1時間後に僕たちの村、マリキノ村から1番近くにあるミノタリ都市に着き、そこから魔導列車に乗り、約2時間で王都に着いた。前世では、ここ、サラバラ王国から右にあるバサラカ帝国に住んでいたが、やっぱり帝国と王国では、雰囲気が違う。今は分からんが、昔の帝国は軍事施設が多いから町中に軍がいたが、王国は、軍事施設があまりないし、逆に商売が繁盛している。僕は王国の雰囲気の方が断然好きだ。

 駅から出た後、とりあえず姉さんを探す事にした。集合場所である駅前の、噴水に行ったら、姉がいた。

「姉さん!無事に着きましたよ!」

「良かった、じゃ、王都を案内しようかな」

「分かりました!」

「フフッ、楽しそうね」

「だって、村には無いようなお店がいっぱいあったから」

「とりあえず、どこ行きたい?」

「やっぱり、王都ならではのお店に行きたいです」

「じゃあやっぱりあれよね」

「あれ?」

僕はあまりそういうのは詳しくないからどういうのか分からないな…

「そう!王都にしか売っていない、『クレープ』というスイーツよ!」

グレープ?…初めて聞くな、どういうのだろうか…

「王都で1番人気のクレープ屋さんに連れて行ってあげる」

そう言った姉は僕の手を取って、王都で1番のクレープ屋さんに走って行った。

 それから着いた後、人気だからだろうか、30分くらい並んで待った後、やっと僕たちの出番がきた。

「いらっしゃーい!おっ!昨日のねぇーちゃんじゃないか!その後ろにいるのは、まさか彼氏か〜い?俺はバングラ、この店の店長だ、よろしくな!」

そう言ってきた男は、バングラという名でこの店の店長らしい。店の見た目とは真逆で、可愛いというよりは、筋肉が盛り上がっていて、頭はモヒカンだ。

「バングラさん、後ろにいるのは彼氏じゃなくて、弟です」

「そうなのか?……確かによく見れば目元が似てるな〜」

「僕はカリシアスっていいます。明後日から王都にある学校に通うので分からない事があったらよろしくお願いします」

「カリシアスっていうのか、よろしくな!後、敬語じゃなくていいぞ〜」

「…分かったよバングラさん」

そういう風に世間話をした後、僕がバナナチョコホイップで姉がイチゴアイスを注文した。そしたら10分後、クレープを作り終えたらしく、バングラさんからクレープを受け取った。

「また、来いよーー」

そう言われた後、僕たちは手を振ってそのまま噴水の所に座って、一緒に食べた。初めてのクレープでどんな味がするか楽しみだったので早速食べた。「パクッ」一口食べて飲み込むと、とある感想が僕の口から出た。

「うまっ!」

「でしょ!やっぱりクレープは美味いよ!」

僕は姉がこんなに美味しい食べ物を食べていたのかと思うとちょっと怒りを覚えたので、姉のクレープを『ロブ』で奪おうとしたが姉にバレると面倒、というか周りがビックリするので、ギリギリで止まった。その後もクレープを食べた。食べた終わった後、姉が「とりあえず、寮に荷物を置きに行きましょう」と言われたのでその指示に従った。駅から約10分で寮に着き、自分の部屋に荷物を置いて、そのまま明日に備えて寝る事にした。まだ夕方だったが、旅の疲労ですぐ寝れた。その後、起きたのが午後10時になっていた。とりあえず、本当は魔導列車で食べようと思っていたが、食べてないパンを1つ食べて、魔法の練習をした。練習内容は魔力制御だ。そこ10分で練習を終え、寮の中は騒がしかった。きっと、今年入学する人達だろう。話そうと思ったが、明日は試験があるので、そのまま1人部屋の中にあるシャワー室でシャワはーを浴びてそのまま寝た。明日は全力を出して1番上のクラスに入れるように頑張ろうと思いながら明日に備え寝るのだった。


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